fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

米債のマイナス利回りは金融・経済システムを破壊する

ブルームバーグ): 市場に関する悪いニュースが、政治的対応を必要とするような景気減速をもたらす可能性があると、アリアンツの主任経済顧問であるモハメド・エラリアン氏が指摘した。
ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストでもあるエラリアン氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、「不安をあおるニュースの見出しを見て人々が心配になり、支出を手控えるような状況に陥る可能性がある」と語った。「消費者が支出をやめると、企業が投資をやめる。そうすると深刻な景気減速につながる」と述べた。
14日には米国株が約3%下落し、米国債イールドカーブが逆転した。
エラリアン氏は、市場は欧州および中国と米国のファンダメンタルズ改善を「切望している」とも述べた。また、市場の信頼感を回復させるには利下げだけでなく、成長を促進する政府の政策が必要だと指摘した。
米中貿易戦争については、公平さについての真の不満に起因しているため、今後も続く可能性が高いとの見方を示した。「中国が必要な譲歩をしているとは思われないし、米国が要求を緩和しているところも見られない。従って最良の場合でも、数週間か数カ月の停戦がせいぜいだろう」と語った。

エラリアン氏はFRBがますます追い込まれていると話す。
FRBは市場に抵抗しすぎてはいけない。さもないと市場が経済に悪影響を及ぼす。
FRBが金融緩和しても経済へのインパクトはわずかで、金融市場に問題を与える。
「問題なのは、FRBが動かなかった場合に市場に起こることだ。昨年の第4四半期の恐怖がそれだ。恐れているのは、金融の混乱が経済の信頼感を損ねることだ」という。
エラリアン氏は、米国が日欧のようにマイナス利回りになるのを深く心配している。
世界最大の金融市場である米市場がマイナス利回りとなれば、多くのメカニズムが破壊されかねないという。
「世界の金融システムはマイナス利回りの中で機能するようには作られていない。マイナス利回りは、長期の金融保険商品の提供を不可能にする。
マイナス利回りでは、よい生命保険、よい年金制度を提供することはできなくなる。これが消費者、家計をさらにリスク回避的にする。マイナス利回りは銀行システムを破壊し始める。マイナス利回りは、経済システム自体を機能マヒに陥れる」という。
ハメド・エラリアン氏は輝かしい経歴をもち、FXをやっていればその名を知らぬ者もいないでしょう。
オバマ大統領のグローバル開発諮問会議議長、投資会社PIMCOの親会社であるドイツ保険会社アリアンツの首席経済顧問。PIMCOの前CEO・共同CIO。フィナンシャル・タイムズ紙コントリビューティング・エディター、ブルームバーグ・コラムニストを務める。IMF副部長、ソロモン・スミス・バーニー社マネージング・ディレクター、ハーバード大学基金CEOを歴任。
別に、輝かしい経歴のある人が常に相場を正しく捉えられるということはないが、100%「信用」はできなくとも「参考」にはなります。
米中経済超大国の覇権争いは潰し合いに発展しつつあり、Win-WinではなくWin-Loseになる。どちらの国がコケても、世界諸国は深く沈むことになります。