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9月の米利下げ 0.5%かどうか観方が分かれる

ブル-ムバ-グ
資産運用会社ペンダル・グループのビマル・ゴア氏によれば、世界の債券相場上昇は終わっていない。短期米国債の値上がりが続くと見込む同氏は同短期債のポジションを「かなり最大限」のロングにし、オーストラリアとニュージーランドの短期債も保有しているという。
ペンダルの債券・インカム・ディフェンシブ戦略責任者のゴア氏は先週のインタビューで、市場は利回りがどこまで低下するかを「大きく過小評価している」とし、金利低下を見込む取引には 「まだ多くの妙味がある」と語った。
世界経済減速の兆候に加え、金融緩和で成長とインフレを後押しできるとの確信が弱まったことで、債券利回りは世界中で低下。米国債利回りは先週、長短逆転の場面があった。
イールドカーブが逆転しなくなるためには、FOMCが積極的に利下げして短期の利回りを引き下げるしかないと、ゴア氏は指摘する。同氏は9月に0.5%の利下げを予想するほか、定例会合以外の利下げの可能性すらあるとみている。基調的な米経済は予想よりもはるかに弱く世界経済は急激に減速しており、米国債イールドカーブのフロントエンドのゆがみは銀行に問題を引き起こしていると同氏は指摘した。
「2020年末までに、FOMCがFF金利の誘導目標をゼロにし、その後マイナス0.5ポイントに引き下げると私なら考えるところだ」と同氏は述べた。
そのほかの取引では、米ドルと円をロングにし、アジア通貨と人民元をショートにしているという。
FRBのパウエル議長は23日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで金融政策の課題について講演する。議長がその題材に事欠くことはなさそうだ。
具体的には、トランプ大統領の通商政策が引き起こした脱グローバル化の衝撃、世界全体で推計16兆7000億ドル(約1777兆円)相当に上るマイナス利回りの債券に象徴される超低金利、米金融当局に対するやむことのない大統領の批判、米国および世界のリセッション(景気後退)入りのリスク増大などが考えられる。
投資家の間には9月の米追加利下げ見通しが広がっており、パウエル議長が23日の講演でこうした観測を否定することはなさそうだ。ただ、一部のトレーダーが予想しているような0.5ポイント利下げにパウエル議長が扉を開くかどうかは分からない。
JPモルガン・チェースのチーフエコノミスト、ブルース・カスマン氏は、9月の0.5%利下げが「可能性の1つであるのは確かだ」としつつも、「自分としてはそれはないとみている。データからは正当化されない」と語った。

カスマン氏は米国が今後1年間にリセッション(景気後退)に陥る確率を40-45%としている。