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バブル経済の泡消しは「必要悪」

ユーロパシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏は、次の景気後退期がかなり悲惨なものになると考えている。
長く続く超低金利は、ゾンビ企業の温存を助長したという。
「もし、金利が上昇すれば、もちろん債券価格はクラッシュし、株価はクラッシュし、不動産価格はクラッシュし、銀行は破綻し、倒産が起こり、差し押さえが増え、投資家は大損する。金利が上昇しすれば、たくさんの悪いことが起こる」
シフ氏は、こうしたことは「必要悪」であると主張する。

金融市場の動きは、実体経済とは同じように上がって下がるものではない。たとえば、株式市場は好材料は一気に織り込み、市場は上げ相場に入ってゆくが、上げ相場が長く続くと、今度は明らかな悪材料があってもそれを無視するようになる。
そうして強気相場は悪材料を無視しながら上昇を続けてゆき、無視出来なくなったところで一気に下落相場に転じることになる。強気相場がコツコツと通常10年続くのに対して、弱気相場が一気に2年ほどで急激に下落する。
現在、「期待」で持ちこたえている相場だと言える。
●米経済の減速でFRBの「利下げ期待」
●米中貿易協議で「合意期待」
● ブレグジットの「離脱延伸期待」
と、この「期待」がどこまで実体の傷みをごまかせるか、その一点に注目される。
「期待」が高まるほど、厳しい現実が示されると「失望」が高くなる。
バブル経済の泡消しは「必要悪」ながら、残念なことに泡だけをうまく取り除くことはできない。泡を発生させることになった「元凶」まで遡ることになる。