fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

フラッシュ・クラッシュ後の豪ドル相場

年初3日に観られた豪ドル安(豪ドル売り)。フラッシュ・クラッシュ(瞬間的暴落)と呼ばれる急落となり、対米ドルで10年ぶりの安値を付けた。投資家は、今年もさらなる下落に直面する可能性があるとの見方を強めているという情報もある。
しかし、豪ドルを売りっぱなしではなく、数十分の後、豪ドルはある程度買われた(買い戻された)。
フラッシュ・クラッシュが反転の烽火だったかのように、その後は豪ドルが緩やかな上昇に転じています。

AUD/NZD 時間足
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AUD/USD
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EUR/AUD
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AUD/JPY
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ちなみに、USD/JPY。フラッシュ・クラッシュ後の戻しはAUDに比べて小さい。
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多くの投資家はオ-ジ-を中国と関連づけたがるところがあり、中国の悪材料出現で豪ドルを売りに出すという、1つの決まり事のような動きが続いています。
しかし、中国経済が減速する中でも、豪経済は比較的好調に推移していることに気づいた投資家(ヘッジファンドと言って過言ではないと思いますが)が出てきたように思えます。
1つには、皆が着目する米豪金利差。米利上げの打ち止めは、金利差での豪ドル悲観は後退する。豪ドルに金利先高観は観られないものの、米ドル買いを推し進める理由はなくなります。参考例としては、IMM通貨先物で豪ドルはかなりショ-ト(売り持ち)が膨らんでいますが、その巻き戻しが観られるかも知れません。すでに減少傾向は観られますが。

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そして、金(ゴ-ルド)。米利上げの打ち止めは、利息を生まない金(ゴ-ルド)には支援材料になる。また、株価下落も金(ゴ-ルド)には有利に働く。金埋蔵量、産出量で豪州はトップクラス。金価格下落とともに豪ドルも連れ安という今までの流れから、ジワジワ上昇している金価格とともに連れ高に変わるように思われる。昨年の今頃は、豪ドルとゴ-ルドは完全にリンクしていました。

NY金とAUD/USD推移
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そして、国の財政収支状況。米国の財政赤字拡大という材料は、すでに一部の投資家の間では米ドル危機説が浮上するほどの問題です。市場の注目テ-マはコロコロ変わるもので、米国が予想外に財政赤字を膨らませると財政問題に市場の注目テ-マが移ることもあり得ます。「米国がこんな好景気の時に財政赤字を膨らませて、今後いったいどうするつもりなの?」という疑念です。米国が景気後退になったら、手の付けられない財政赤字膨張になるというのが米ドル危機説のあらすじのようです。
現在、先進国で財政黒字となっているのはドイツぐらいなもので、2019年にはオ-ストラリアも黒字化します。オ-ストラリアの財政収支黒字が市場で高評価となるかはわかりませんが、良いことであって悪いことではありません。
2019年、私fxdondonは豪ドル安から反転の年、そう予想しています。
ただ、対円では豪ドルであろうと悲観的ですが(苦笑)