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円強気の見方、揺さぶられる-中期的にはドル安トレンド不変か

ブルームバーグ
ドル・円相場は9日に2.2%の急騰後、10日には一時0.5%の反落に転じた。新型コロナウイルスのワクチン開発への期待が円相場への強気なスタンスを揺さぶった格好だが、中期的にはドル安トレンドは不変との見方が出ている。

三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチの内田稔チーフアナリストは、9日のドル・円の急騰について、新型コロナワクチン開発の報道を受けて「米大統領選に向けて過度に円ロングに傾いていたポジションが巻き戻されたものだ」と説明する。
シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)の先物取引で短期のタームで取引するレバレッジドファンドの円ポジションは、大統領選投開票日の11月3日時点で1万1484枚のネットロングと5月来の高水準となっていた。

東海東京調査センターの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは「米景気は良くなり、ワクチンもいずれはできるだろうし、リスクオンの円安もあって、ドル・円は上昇基調を見ている」とした上で、「円ショートが正しい」という。

一方、やや中期的な目線の投資家は異なるとみられる。IMM先物のアセットマネジャーの円ポジションは10月27日時点で8万4670枚のネットロングと過去最大を記録し、11月3日時点でも8万2707枚と高水準を維持している。

三菱UFJ銀の内田氏はこうしたポジションについて、「平均2%のインフレ目標を掲げた米連邦準備制度理事会FRB)のゼロ金利が長期化すること」が影響していると指摘。利上げが視野に入れば円ショートへの変化が見込まれるものの、それまでは「アセットマネジャーのポジションが顕著に変化したり、相場の転換を迎えたりというのは難しそう」という。

内田氏は、短期的にはワクチン開発期待から「105円割れは買いとなるかもしれない」一方、「日米金利差が6月上旬と同水準でもドル・円のスポットが5円あまり低いことや200日移動平均線が107円を下回ってきていることなどから上値は重そう」との見方を示している。