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安全資産は米国債?金(ゴ-ルド)?

ブル-ムバ-グ
財務省財政赤字拡大を穴埋めするため、長期債の発行額を高い水準で維持する見通しだ。新規発行額は2年連続で1兆ドル(約109兆円)を上回ると予想されている。
財務省が30日に発表する四半期定例入札計画で、中長期債の入札規模は過去最高水準に維持されると、プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)のストラテジストの多くが予想。財務省は同入札規模を過去数カ月に過去最高水準に引き上げていた。
来週の入札で3年債、10年債、30年債の発行総額は840億ドルになると大半が予想。これは3カ月前の同年限の発行総額を10億ドル上回るが、3年債入札の規模が昨年12月に既に少し引き上げられていたことがもっぱらの理由だ。
米国債発行増額の背景には、現政権下で導入された減税や歳出拡大がある。財政の先行きは給付金制度の費用増大や、16兆ドル近い米国債務の借り入れコスト上昇により既に憂慮されているが、国債発行増大はその見通しを一段と暗くしている。米連邦準備制度理事会FRB)のバランスシート縮小も供給増加につながっており、ムニューシン米財務長官にさらなる資金調達を強いている格好だ。
キャンター・フィッツジェラルド金利トレーディング責任者、ブライアン・エドモンズ氏(ニューヨーク在勤)は「財政赤字は引き続き膨張すると当社は考えている。供給はさらに増えるだろう」と述べた。
2018年の米国債の純発行額は総額1兆3400億ドルで、約5500億ドルだった17年の2倍以上に膨らんだ。ドイツ銀行のスティーブン・ゼン氏によると、19年は1兆4000億ドルになる見通し。このうち1兆1100億ドルは利付き債券で、残りは短期証券になるという。
大量の供給にもかかわらず、米国債利回りは急上昇していない。世界で最も安全とされる米国債への需要が落ち込んでいないためだ。5年債利回りは2017年以降に約0.4ポイント上昇。28日は2.60%前後で推移しており、昨年のピークの3.10%から低下している。


遡ること2017年12月、JPモルガン・チェースによると、米国債の純発行額は2018年に1兆3000億ドル(約147兆円)に達する見込みだと発表され、実際は1兆3400億ドル。米国債ウォッチャ-による見込みは、そう外れるものではない。
2019年度の米国政府の財政収支は1兆ドルの赤字だが、米国債の純発行額は1兆4000憶ドルになると見込まれている。金利が上昇するということは国債の価格が下がるということになるため、国債を発行する際には今までより安い値段で発行しなければなりません。これがまた厄介で、政策などでドンドン発行しなければならない状態となった場合に、国債価格が安くなっている分は多く発行しなければならないことに繋がります。ですから、米国政府が2019年度に1兆ドルの財政収支の穴埋めに必要となる米国債の純発行額は1兆4000億ドルになるということですね。
「世界で最も安全とされる米国債」、確かにそう信じたい。しかし、それは「国債の中では最も安全とされる米国債」という表現に是正する必要がある。残念ながら、「世界で最も安全とされる金(ゴ-ルド)」と言わざるを得ません。
金(ゴ-ルド)そのものに第三者の格付けはいらない。その存在自体が「安全」という神話が古代から現代まで続いている。ドル紙幣のように刷ろうと思えばいくらでも刷れる、そういう代物ではない。
2011年8月5日、格付け会社 S&Pが米国の長期発行体格付けをAA+、見通しを「ネガティブ」に格下げした。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所NYMEX)の金先物取引中心限月価格は1600ドル/1トロイオンス台後半で推移していたが、8月8日に1700ドル台、8月18日には1800ドル台、8月22日には1891ドル90セントをマークし、1900ドル台に迫った。その後、金融バブル崩壊から立ち直った現在まで、1オンス1000ドルを下回ることがない。
言い換えれば、米国債に代わる安全資産の金(ゴ-ルド)とも言えそうだが、米国は中国を潰すことはできても金(ゴ-ルド)を潰すことはできない。ドル紙幣は金(ゴ-ルド)には敵わない、そういうことです。