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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

情報の独り歩きにはご注意を

トランプとキンペ-が、G20大阪サミットに合わせて29日に会談する見通しとなる中、両国の貿易交渉の代表らが電話で会談し、難航する貿易問題のさらなる悪化を防ぐ打開策を探って調整を図ったとみられます。
中国商務省は24日、中国の劉鶴副首相と米国のライトハイザー通商代表、そしてムニューシン財務長官が電話で会談したと発表しました。

ニュ-スではこんな趣旨の報じられ方がされています。
あたかも米中首脳会談が確実、確定が前提かのような報道です。
しかし、公式な発表では、米中首脳会談実施の「予定」「見通し」であって、「決定」「確定」ではない。そもそも、トランプとキンペ-が会談すると決めつけているような報道であることに注意を要します。
そして、「両国の対話継続の意思」、これは両国で間違いないこと。
ただ、現段階で、キンペ-が米国に屈したというような安易な妥協はないと、個人的には観ます。
まず、第一に、中国側のポンペオ(米国務長官)に対する憎悪感がハンパないこと。
毎日新聞の記事から。

25日付の中国紙「環球時報」は、「ポンペオ(米国務長官)は国際舞台の混乱の根源になった」と題する社説を掲げ、香港や新疆ウイグル自治区を巡るポンペオ氏の発言を批判して「討伐すべきだ」と訴えた。
中国メディアが米国務長官の「討伐」を呼びかけるのは極めて異例。同紙は中国共産党機関紙・人民日報傘下の国際情報紙。「中国政府の本音」を代弁することが多いメディアとして知られる。
ポンペオ氏は21日の記者会見でウイグル問題について「中国政府は人々の信仰を激しく迫害している」と批判。香港で反対デモが続く「逃亡犯条例」改正についても「法の支配を脅かす」と繰り返し中国を批判している。
記事はポンペオ氏について「世界の大国(米国)に狂気じみた首席外交官が誕生することはめったにない」と批判。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の封じ込めなどで「反中国勢力の旗頭になった」と決めつけた上で「グローバルな外交界は共同で討伐すべきだ」と主張している。【北京・浦松丈二】

今回、キンペ-がトランプの言うことをあっさりよ受け入れるということは、ポンペオにも屈したということになります。目先の経済状況よりも、米中ともに世界覇権においてリ-ドしたい、相手を蹴落としたいというのが首脳・トップの考えです。
次に、台湾の国防部は25日、中国海軍の空母「遼寧」が台湾海峡を南から北に向かって通過したことを発表しました。
「何で、こんな時に中国側が自ら、火に油を注ぐような真似すんの?」と疑問に思います。ケンカを仕掛けている米国側なら、従来からの挑発行為ですからわかるのですが、ケンカを売られている側の中国がなぜ負けじと空母を出したのでしょう?
台湾メディアは消息筋の話として、米国軍の拠点があるグアムからおよそ600キロの海域まで近づいたあと、フィリピンの南を回って南シナ海に入り、台湾海峡に達したと伝えています。中国側の「一歩も引かない」、「台湾は中国領土」、そんな意思が感じられます。
次に、米国側がさらなる追加関税第4弾を構えて、知的財産権の保護などで中国側に法改正まで求めていること。法の改正にまで及んでくるのは内政干渉、行き過ぎとの中国側に対し、中国は素直に受け入れることはないでしょう。
市場関係者の間では、3250億ドル相当の中国からの輸入品への25%関税の賦課の期限が、一定程度、延期されるのではないかと期待感が広がっているとも報じられています。
自分が思うに、ドル/円なら1円程度、ユ-ロ/円なら2円近く、この期待感が込められているように思えます。現在まで発表された経済指標結果からは、現状のレ-ト水準に収まっていること自体、楽観的であると思えます。
この米中首脳会談、まずは本当に実現するのでしょうか?そして、キンペ-がある程度の妥協、歩み寄りを見せるのでしょうか?

追記
テレビ東京 番組「ビジネスオンデマンド」より
1週間の為替相場見通しを予想。バークレイズ証券・門田真一郎氏が解説。ドル円相場の予想レンジは105円00銭~108円50銭。G20前は動きにくい相場展開になるとみられる。G20の結果や各種経済指標の結果次第では双方向に動き得るが、どちらかといえば円高のリスクに警戒が必要と考えられる。予想の105円というのはテールリスクのイメージであり、G20で決裂するようなことが起きた場合にみておくべき目途。

私fxdondonは1円程度のリスクだと観ているが、バークレイズ証券の門田さんんは2円程度のリスクがあるとの考え。
まぁ、正しいかどうかは結果が出てみないとわかりません。