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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

プチショックの可能性をどう消化するか?

G20ショック
6月28、29日に開催されるG20(金融・世界経済に関する首脳会合)大阪サミットで行われる予定のトランプ大統領習近平国家主席の首脳会談。G20までに出てくる話も、米中双方からの駆け引きのための動きと捉えていいでしょう。
この答えは3通り。
1 米中円満解決、あるいは前向き継続協議
2 キンペ-が会談キャンセル、会談延伸
3 キンペ-断固拒否、米中貿易戦争、ハイテク戦争炎上
今の市場は、1の解決あるいは中国が前向きに協議となることの期待に傾いている。
しかし、2と3になった場合、市場の失望感からリスクオフの動きに急変。特に3となった場合、株式市場は少なくとも今年最大の下げ幅を記録してもおかしくない。
この会談予定日を前に、米国商務省は21日、スーパーコンピューターを製造する中国の企業や団体について、米国企業との取引を禁じる「ブラックリスト」に加えると発表した。制裁対象となったのは、米半導体アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の中国での合弁パートナーである天津海光先進技術投資のほか、成都海光集成電路、成都海光微電子技術、中科曙光、無錫江南計算技術研究所の5団体。
これらの企業は、スーパーコンピューターの活用によって、中国人民解放軍の近代化を目指しており、米国商務省は米国の安全保障と外交政策上の利益に反すると指摘している。この制裁により、これらの中国系企業は、米国企業から電子部品などの調達が不可能となり、製品開発に影響がでるとみられている。
現在の華為技術(ファーウェイ)に対する米国による措置ですが、トランプ大統領が「大統領令13873」に署名し、米商務省がファーウェイと関連企業70社を「エンティティーリスト」というブラックリストに加えている。ファ-ウェイ関連企業だけでも70社以上を調査監視していることになる。
さらに、次は中国が誇る「監視技術」となる模様。その中心にいるのは、浙江省杭州市の監視カメラ大手、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)。監視カメラ市場で世界シェアトップを誇るグローバル企業です。
このハイクビジョンは、ファーウェイと共通点が多い。ファーウェイ問題では、ファーウェイと並んで、やはり中国の通信機器メーカーの中興通訊(ZTE)が一緒に排除措置の対象になっていた。というのも、通信機器の基地局などの世界シェアは、最近までファーウェイとZTEが合わせて4割を超えていた。
ハイクビジョンのケースもこれに似ている。米政府がハイクビジョンと合わせて制裁対象にすると見られているのは、同じ中国の監視カメラメーカーの浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)である。ハイクビジョンとダーファの製品で、世界の監視カメラの3分の1を占めている。ただ、ダーファは世界トップクラスのシェアを誇るものの、ビジネス規模はハイクビジョンの6分の1程度。両者の企業規模の差も、ファーウェイとZTEに似ている。
この米国側のブラックリストに加えるという話も、米中貿易摩擦で「ディール」を狙うトランプ政権からの中国に対する揺さぶりです。ただ、半導体など米国製部品の取引ができなくなったり、米国市場から追い出されたりするようなことになれば、また中国政府が後押しする企業が窮地に追いやられることになる。一方で、米中貿易摩擦に「監視」「ウイグルチベット」「人権問題」「香港関連」などが絡んでくることで、中国側の協議へのスタンスがさらに熱を帯びたものになっていく可能性もある。

フォ-ドショック
2019/3/30
大手自動車メーカー「フォード・モーター」は、ロシアにおける乗用車市場から撤退し、2019年6月にロシアの3工場(組立工場2拠点とエンジン工場)を閉鎖すると発表しました。
2019/5/21
フォード・モーター」は、全従業員の約1割に相当する7000名の人員削減を行うと発表しました。 工場労働者を除く全世界の従業員が対象で、そのうちアメリカ国内で約2300名、海外で約4700名を削減する見込みです。
2019/6/ 7
フォード・モーター」は、2020年の後期までにイギリス・ウェールズ南部にあるブリジェンド工場を閉鎖すると発表しました。 ブリジェンド工場は、フォードがイギリス国内で操業する二つのエンジン工場のうちの一つ。
2019/5/4
日経新聞
【ニューヨーク=中山修志、フランクフルト=深尾幸生】米自動車メーカーの業績が悪化している。ゼネラル・モーターズGM)など大手3社の2019年1~3月期決算は特殊要因を除いた利益が前年同期を大きく下回った。中国市場などの不振で米国頼みの傾向が一段と強まる。大型車中心に販売を伸ばしてきた北米市場もブレーキがかかり、収益の先行きに影を落としている。フォード・モーターは中国販売がほぼ半減し、純利益は34%減と低迷した。
フォードは4月、新興電気自動車(EV)メーカーへの5億ドル(約550億円)の出資を決めた。ジム・ハケット最高経営責任者(CEO)は「業界は破壊的創造の時代に入った」と語るが、北米の収益が揺らげば次世代への投資余力が減るリスクがある。
カニ自動車産業リサーチの中西孝樹代表は「米国の景気が下向けば乗用車への揺り戻しが起こる。大型車偏重の米メーカーは反動が大きい」と指摘する。

アップルショック第2弾
まずは、アップルショック第1弾から。
米アップルが年初1月2日に発表した業績見通しの下方修正が、波紋を広げている。同社がその理由に挙げたのは、売上高の2割を占める中国を中心にスマートフォンiPhone」の販売が不振だった。米国との貿易摩擦で消費が落ち込んだとしているが、スマホの機能が成熟するなかで定期的に新製品を投入して買い替えを促す同社の戦略も曲がり角を迎えている。
アップルは売り上げ全体の約6割を占める。
アップルが発表したのは2018年10~12月期の売上高の見通し。当初見通しから6~10%低い840億ドル(約9兆円)に引き下げた。同社の株価は1月2日の時間外取引で一時8%下落した。
アップルショック第2弾の可能性
アップルにとって残念なことに、中国当局は昨年春、新しいゲームの承認をストップした。そのためApp Storeの売り上げ、そしてサービス部門の売り上げは減少した。
Business InsiderがSurveyMonkeyを使って行った調査では、アメリカのiPhoneオーナーの3人に1人が新型iPhoneに買い換えていない。価格が上がったことや新しい機能が魅力的なものに見えないことがその理由。
●ドル高による新興市場でのiPhone価格の上昇
●キャリアの購入補助金の減少による、iPhoneの実質購入コストの上昇
●バッテリー交換プログラムにより、ユーザーはバッテリーを安価に交換でき、結果として古いiPhoneを長く使うことを促進したこと
こうした要因によって、第2四半期も売上減少は続くと考えているとクックCEOは述べた。アップルは第2四半期、前年同期比で最大60億ドル、約10%売り上げが減少すると予測している。
ただ、同社のサービス部門の未来における極めて重要な要因は、ユーザー数が伸び続けていること。
米アップルが示した4-6月(第3四半期)の売上高見通しは、市場予想を上回った。年末商戦で期待外れとなった「iPhone(アイフォーン)」の需要が安定した。同社の株価は引け後の時間外取引で一時、約5%高となった。
アップルは4-6月の売上高について、525億-545億ドル(約5兆8500億-約6兆1000億円)との見通しを示し、アナリストの予想平均522億ドルを上回った。同社発表によれば各種デジタルサブスクリプションの契約者数が増え、1-3月期のサービス収入は16%増の114億5000万ドルとなり、市場予想を若干上回った。
参考までに、経営再建中の日本のジャパンディスプレイ(JDI)は売上高の過半をアップル向けが占め、XRに液晶パネルを供給している。
ジャパンディスプレイ」は、5月15日付で公表していた構造改革策の詳細を発表し、希望退職者の募集による1200名の人員削減を明らかにしました。
また、5月30日付で公表していた台湾と中国の3社から最大で800億円の出資を受け入れる資本業務提携契約について、予定していた6月14日までに3社から出資可否の通知を受けていないと発表しました。
また、その3社のうち台湾の1社が出資の見送りを決定したと報道され、ジャパンディスプレイは事業の継続に向けて、新たな出資候補先との協議を開始したとのことです。
ジャパンディスプレイは、5期連続で大幅な赤字を計上するなど業績が悪化しており、事業継続には抜本的な財務体質の改善が急務となっているものの、今回の出資見送りにより、再建計画への大きな不安が顕在化しました。

ブル-ムバ-グ
現在はリスク資産が上昇しているが、世界の経済データはここから悪化する可能性が高く、円のロングポジションを支持していると、ハンス・レデカー氏らモルガン・スタンレーのストラテジストがリポートに記した。
ストラテジストらは「先週の世界的な株式相場上昇で、リスク資産に対する弱気は試されたが、当社はリスクオフモードを堅持している」と表明。「現在の市場のプライシングを見る限り、米連邦準備制度が市場期待を上回る政策を打ち出すことは困難だ。また、経済活動の鈍化が企業収益を低下させるだろう」と説明した。
同社は1ドル=105円を目標としたドル売りを推奨。109円20銭をストップロスの水準としている。
モルガン・スタンレーは来年の米企業の利益見通しを下方修正した。貿易摩擦の激化が脆弱な世界経済をさらに下押しすると見込んだためだ。マイク・ウィルソン氏率いるストラテジストチームはS&P500種株価指数の構成銘柄の2020年の1株利益が162ドルになると予想。
米企業は2年連続で利益が伸びないことになる。ウォール街では今年の減益を見込む同氏らに同調する見方が増えている。
ウィルソン氏は顧客向けリポートで、「貿易摩擦が悪化しなかったとしても、われわれの利益モデルは向こう1年の1株利益見通しについて既にマイナスの伸びを示していた。貿易摩擦は利益下振れに拍車を掛ける」と記した。

ロイター
長らく「こう着」していたドル/円相場が、動き始めている。米国で早期利下げ見通しが浮上したことでドル買いの勢いが失速、円買い圧力が強まりやすくなってきたためだ。円は主要通貨間で年初来「最強の座」に躍り出ており、市場では1ドル105円台が視野に入ったとの見方も出ている。
ドル安要因となっているのは、米金利の急低下だ。10年米国債利回りは、3月の年初来最低水準を下抜けると一気に低下。10年金利が3カ月物財務省短期証券(Tビル)金利を下回る逆イールドも再発生している。
その米金利低下をもたらしているのは、米景気の減速懸念と、早期の米利下げ観測。
米経済指標が相次いで下振れし、5月供給管理協会(ISM)製造業景気指数は2年7カ月ぶり、5月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は10年ぶり低水準。4月耐久財受注では設備投資の先行指標とされるコア資本財受注が急減した。ミシガン大学の5月消費者信頼感指数は確報値で大幅下方修正となった。
JPモルガン・チェース銀行は、貿易戦争の激化や経済指標の下振れを背景に、20年末まで据え置きを予想していた米金融政策見通しを、年内2回の利下げに変更。来年3月末の10年債金利予想を従来の2.50%から1.65%へ大幅に引き下げた。
シティのエコノミストは21日、FRBが来月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決定する場合、利下げ幅は0.5%になるとの見通しを示した。また、バランスシートの縮小停止も前倒しされるとの見方も示した。
ただシティは、年内に利下げは実施されないとの基調的な見通しは変えていないと表明。基調的な見通しは、経済指標が「十分に堅調」であること、またG20首脳会議(サミット)で良好な結果が得られることを前提としているとした。

過去のこのブログの記事
シティグループ・グローバル・マーケッツのシニアテクニカルストラテジスト、年末までに1ドル=104円前後に達すると予想
https://blogs.yahoo.co.jp/max856482/36080543.html
私fxdondonは過去の経験則通り、米財政赤字の拡大はドル安へ
https://blogs.yahoo.co.jp/max856482/35962722.html
ドル/円の8年周期
https://blogs.yahoo.co.jp/max856482/35909097.html
2019年は『うるう年』相場の序章
https://blogs.yahoo.co.jp/max856482/36059303.html