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ロシアは原油協調減産に合意しないと予想 by fxdondon

日経新聞
サウジアラビアが率いる石油輸出国機構OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国による協調減産を巡る緊急会議は9日を軸に調整しているもようだ。両国は、協調減産の枠外にある最大の産油国、米国に協力を促すが、トランプ米政権は支持基盤のシェールオイル企業を保護。隣国カナダとともに、サウジとロシアに「減産しなければ両国産原油に追加関税を課す」と圧力をかける。
トランプ氏は5日の記者会見で「多くの雇用を生み出す産業を救いたい」と述べ、追加関税の導入を再び示唆。サウジとロシアが協調減産で合意すれば「課す必要はないと思う」とも語った。
11月投票の大統領選で再選を果たすため協力が必要な米国のシェール業界には減産を無理強いせず、サウジとロシアを軸とする「OPECプラス」の枠組みに日量1000万~1500万バレルの減産を求める姿勢を鮮明にした。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、カナダも同様な追加関税の導入を探り、米国側と協議を始めた。
硬い岩盤層を砕いて石油を取り出す米国のシェール企業と、カナダの石油産業で主力のオイルサンド(石油を含んだ砂岩)企業はいずれも採算ラインの原油価格が1バレル30~40ドルといわれる。ところが指標の北米産ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI先物価格は、3月上旬にロシアとの協調減産強化に失敗したサウジの増産表明で一時、同20ドルを下回る水準に落ち込んだ。
原油価格の引き上げは米国、カナダの国内エネルギー企業を守るうえで欠かせなくなった。
英BP統計では、2018年の産油量でサウジは2位(日量約1200万バレル)、ロシアは3位(同約1100万バレル)。米国をあわせた上位3カ国の産油量は日量約3900万バレルで、世界全体の約4割を占める。
OPECプラス側は当初、米国の協力に期待を示した。ロシアのプーチン大統領は3日「米国とも協力する用意がある」と述べ、協調減産に参加する産油国を増やす必要があるという考えを表明した。サウジのアブドルアジズ・エネルギー相も同日、米国の参加を念頭に「石油市場の問題解決を求めるすべての国を歓迎する」と強調した。
17年からの協調減産に加わらず、下支えされた原油価格の利益だけを得てきたシェール企業をサウジ、ロシアの両国は「敵」とみなす。だが、両国もすれ違いが目立つ。
プーチン氏は3日、原油価格急落の責任について「事実上、(協調減産の)合意から脱退し、自国の石油価格を大幅に割り引くと表明した」と語り、サウジを非難した。これに対し、アブドルアジズ氏は「(3月に)4月から自由に産油量を増やせると真っ先に公言したのはロシアのエネルギー相だ」と反発した。
米国でシェール企業をとりまとめる団体が6月のOPEC会合に参加するとの情報がある。だが、国営企業が産油するサウジ、ロシアと違い、米国の石油企業は民間資本だ。独占禁止を巡る厳しい法令があり、OPECプラスのような世界規模での生産調整には容易に参加できない。


産油国の協調減産会合での注目は、サウジよりロシアでしょう。
私fxdondonの推測ですが、ロシアは会合を欠席するか、あるいは協調減産はしないと観ています。
まず、遡ること1年前のロイタ-記事から。

2019年5月21日 / 01:26 / 1年前
ロシアの外貨準備高の米ドル比率低下、外部リスクを考慮=露中銀

https://jp.reuters.com/article/russia-cenbank-reserves-idJPL4N22W3E9

ロシアは公表している外貨準備で、米ドル建てを減らしました。理由は人民元建てへの移行だと、もっともらしい理由を述べています。
ここでの最大の注目は、『外部リスクを考慮』という点です。その詳細については触れられていません。
問題は、公表されていた米ドル建て(米国債など)の減少分が、どこへ移されたかです。公表された人民元建てへの移行などは一部であって、本当は別なところにある。原油先物株価指数、ジャンク債などすべての幅広いリスク資産の空売り、つまりリスク資産の価格下落で巨額の利益を得られる投機戦略が進められてきたという、私fxdondonの勝手な推測です。
そうでなければ、石油収入に大きく依存するロシアが、原油価格を下落させるのがわかりきっている行動には出ないでしょう。
もちろん、リスク資産ショ-トポジションを莫大な利益をもって解消した時点で、ロシアは原油の協調減産に合意することになる。ロシアのソブリンファンドの動向などはデ-タも公表されるわけではないので、我々が知る術もないが。
加えて、ロシアンマフィア・ロシアンマネ-の資金力を甘く観るべきではない。ネットで『ロシアンマフィア』と検索すれば、ある程度のことはわかるでしょう。
市場では、サウジ、ロシアとも原油の協調減産合意に期待しています。ロシアについても「自分の首を自分で絞める」わけがないと思い込んでいるでしょう。ところがロシアは「自分の首を絞めながら、ちゃんと呼吸できるように絞めている」、果たして結果がそうなるでしょうか?単なる私fxdondonの妄想癖なんでしょうか?(笑)