fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

サウジの石油生産減産、サウジ石油施設被災について

日経新聞
中東からの原油供給リスクが広がってきた。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は14日、国営石油会社サウジアラムコの石油施設に対する無人機(ドロ-ン)の攻撃で生産が日量570万バレル減ったと述べた。世界最大級の石油輸出国サウジの生産量のおよそ半分で、世界の石油供給量の5%以上に相当する。

ワシントン共同
サウジアラビア東部の国営石油会社サウジアラムコの石油施設2カ所で14日、無人機による攻撃があり、サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は、同国の石油日量生産能力の半分に当たる約570万バレルの生産が停止したと発表した。世界の日量生産の約5%に相当する。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が犯行声明を出した。フーシ派のサウジ石油施設攻撃による被害としては、過去最大級。

と、報じられています。
結論から言うと、シナリオのあるサウジの石油生産減産、石油施設被災(を装っている)です。
まず、サウジの石油減産ですが、これは中国からの原油買い付け量が減ったためです。中国経済の減速傾向という理由もあるでしょうが、中国は最大の原油輸入先をサウジからロシアへと変えたことが大きく影響しています。
事実として、中国税関総署が公表した貿易統計によると、5月の同国の原油輸入は、ロシア産が日量150万バレルで、サウジアラビア産を上回り国別で最大となった。サウジアラビアからの原油輸入は前年同月比25%減の日量110万8000バレルで、4月は日量153万バレルの輸入だった。
つまり、中国はサウジからの原油輸入を4分の1減らした訳です。なぜか?それは、サウジが親米国だからです。米中対立の余波が、原油調達先にも影響を及ぼしています。
このところ中国は、脱米国、そして親ロシアの政策をあからさまに進めています。
その最たる例は、今月、ロシアのショイグ国防相と中国軍の最高幹部が会談し、前々から詰めてきた軍や軍事技術の協力に関する文書に正式署名しました。中国軍の最高指導機関である中央軍事委員会の張又侠副主席は、「中国は常にロシアとの外交を最優先に考えており、さらなる発展を達成するため協力する」と応じました。
中露同盟は名実ともに成立し、親米勢力に対抗するためには最高のパ-トナ-となったわけです。

f:id:fxdondon:20190916142456j:plain

今回の原油価格吊り上げ工作は、主導(主謀)がサウジなのか米国なのかはわかりませんが、ひとまず成功しているようです。