カナダドル悲観材料
これまで私fxdondonはカナダドルを強気で観ていましたが、来年にかけて弱気へと観方を変えました。
大きな要因は、先日記した通り、原油価格が下落基調をたどると観ていること。
【原油相場】
国際エネルギー機関(IEA)が12日発表した月報によると、米国は6月に一時的にサウジアラビアを抜いて世界最大の原油輸出国となった。
IEAは、OPEC非加盟国の生産の伸びが20年に日量230万バレルと、19年から同40万バレル増加すると予想。一方で、OPEC加盟国の原油に対する需要は20年上半期に同2830万バレルと、今年8月の生産量を同140万バレル下回るとの見通しを示した。
また、石油輸出国機構(OPEC)およびOPECと足並みをそろえている非加盟の産油国、いわゆる「OPECプラス」は、2020年に向かう中で石油市場の運営で極めて困難な課題に直面するとも、国際エネルギー機関(IEA)が示した。
IEAは最新の月報で、「市場運営は20年に向け依然として極めて困難な課題だ」と指摘。「OPECプラスはすぐに再びOPEC以外での石油生産急増を目にすることになるだろう」とした上で、市場が「大きな余剰に戻り、価格に圧力がかかる」ことが示唆されていると記した。
そして、世界最大の石油商社であるVitolも、「今年の世界の原油需要の伸びは日量60万バレルにとどまり、原油価格は低迷を続ける」という悲観的な予測を出した。
このような見通しの中、「商品相場荒らし」で有名なゴールドマン・サックスは9日付のリポートで、2019年の石油需要の伸びは鈍化すると予測した。
買い玉 527,579
売り玉 99,374
ネット +428,205
と、高水準の買いが膨らんでいる。この投機筋の買い(ロング)ポジションが解消されると、原油価格はかなりの急落に見舞われることになる。
今のところ、石油消費大国の中国が大きな石油消費減退に見舞われるとないとの観方であろうが、すでに天然ガスの取引では珍事が起きている。
中国は世界最大の天然ガス輸入国でありながら、中国は7月に日本に対して7万トンを超える天然ガスを史上初めて輸出した。中国の天然ガスの消費量が予想以上に減少し、輸出できるだけの在庫が膨らんだためと観られている。
中国が原油までを輸出する「転売」になるようなら、原油価格の下落は底なしの様相にもなる。
【カナダ経済見通し】
市場が観ているカナダの経済見通し
GDP成長率
来年2020年にリセッション入りするものと観られている。
しかし、今のところ、カナダ中銀からは利下げや金融緩和について言及されていない。ニュ-ジ-ランド同様、態度を一変させる可能性はある。
【カナダ総選挙】
10月のカナダ総選挙で、自由党(現トルド-政権)から保守党への政権交代が実現すれば、カナダ政治は大きく右に振れ、対中政策はトランプ米政権の強硬策に近づくことになる。また、財政政策では緊縮に動き、財政健全化へ動くことになる。
現状で自由、保守の両党がいずれも単独過半数を確保できないと予測する現地メディアもあり、結果次第では連立協議が必要となる模様。
政権交代はカナダにとってはリスク、そう市場では判断している。
キャンドルの動きは、原油価格の変動の他、総選挙の動向にも注目されそうです。