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対イラン制裁の復活は、原油価格を押し上げへ

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2日のアジア市場で、対イラン制裁の復活のリスクによる心理的な影響もあって、原油価格が上昇しました。
市場における原油価格の上昇傾向は、それでも米国のシェ-ル産油量の増加により、限定的なものとなっています。
フランス通信が、シンガポールから伝えたところによりますと、米国産軽油WTIの6月渡し分の価格は、2日のシンガポール市場の電子取引で、1バレル67ドル53セントに達しました。また、北海ブレントの7月渡し分は、1バレル73ドル20セントで取引されました。
米国がイランに新たに制裁を行使した場合、市場への原油供給が減少する可能性があります。石油市場に焦点を当てたトリフェクタ・コンサルタンツのアナリスト、スクリト・ヴィジャヤカル氏は、4月渡し分のイラン産原油の輸出量が、制裁解除以来最高の日量260万バレルに達したとしました。
イラン産原油の多くは、中国とインドに輸出されています。
こうした中、一部の専門家は、国際市場における世界の主要通貨に対する米ドルのレートの上昇、米国産油量の増加、そして同国の原油備蓄の増加により、過剰供給の懸念が高まっており、これは原油の価格上昇を妨害しているとの見方を示しています。

別件になりますが、ロイター通信によりますと、モロッコ政府は1日火曜、「イランとの国交断絶を決定した」と発表しました。モロッコ西サハラポリサリオ戦線の支援によりイランを非難し、イランとの関係を断絶しました。

朝日新聞記事では、中東で覇権を争う二つの地域大国、イランとサウジアラビアが明暗を分けている、と報じている。
内戦が続くシリアでは、イランが支えるアサド政権が優勢を固め、サウジが支援する反体制派は退潮が著しい。サウジはトランプ米政権に接近して挽回を期すが、なりふり構わぬ外交がアラブ諸国を分裂させている。
アラブ諸国、そしてイスラム教多数派のスンニ派の盟主を自認するサウジアラビア。だがその周辺では、イランの影響力が強まる一方です。
サウジアラビアは、トランプがエルサレムイスラエルの首都と宣言した際には、他のアラブ諸国と同様にトランプを非難したが、反米行動には踏み出さなかった。今のサウジにとって、米国は「敵の敵は味方」という考えです。
サウジにアラブの連帯を尊重する余裕がなくなり、ムハンマド皇太子が国益の最大化を目指す「サウジ・ファースト」の姿勢を強めていることは、アラブ諸国の分断を招いている。
17年6月には、隣国カタールがイランに接近したとして、サウジはアラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンと共に断交に踏み切り、経済封鎖を行った。だが結果は、元々はイランよりサウジに近かったカタールが、イランとの関係を強化する裏目に出た。
イランに対するサウジ劣勢の巻き返しを狙うムハンマド皇太子の「賭け」は、混迷の中東をさらに不安定にするリスクを伴います。