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内部崩壊を気にする中国共産党

習主席は武力行使もありうるというスタンスで中国が建国100年を迎える2049年までに台湾を併合することに強い決意を示している。「祖国統一」の大義名分の下で台湾併合を進めていくことによって、習主席は党内と国内における自らの強固な基盤を維持していきたい考えである。一番避けたいのは内部からの分裂・崩壊であり、そのためにもチベット族やウィグル族反政府勢力、反乱分子の監視、弾圧、洗脳にはことさら力を入れている。香港デモで中国本土に対する反乱の種をいち早く見て取った共産党指導部が台湾を念頭に早い段階でデモ鎮圧に乗り出したのはこうした今の中国の危機感を如実に表したものと言える。
台湾のトップの蔡英文が中米カリブ海諸国を経由して米国ニューヨークに立ち寄り、台湾と外交関係のある国々の国連大使と面会させるなどして厚遇していることに対し、中国外務省は「中国は米台間の公的な交流に断固反対する」と猛反発している。米国政府は8日、台湾に対し戦車108台22億ドル(約2400億円)相当売却し、さらには来年1月の台湾総統選挙での支援を約束した。中国は売却を「直ちに中止する」よう米国に要求したが、米側はこれに取り合わず、「移転される軍備はアジアの平和と安定に寄与するものだ」と応じた。中国は「中国の主権と国家の安全保障を脅かすものだ」と米国を猛批判し、トランプ政権が仮に台湾に武器を売却した場合には関与した米企業に制裁を発動すると発表した。ただしどのような制裁を行うかについては明らかにしていない。さらに、台湾を念頭に中国軍が民間船舶を利用する大規模な海上輸送訓練を公開した。中国共産党系の「環球時報」は「中国は台湾や南シナ海の島々に上陸する訓練を行っている」との物騒な記事を掲載するなど台湾に対する脅しを矢継ぎ早に展開している。中国は、台湾に対して硬軟両様の戦術を講じており、例えば中国でビジネスを行う台湾人に対しては「31項目の台湾優遇措置」といった懐柔策も打ち出している。中国は来年1月の台湾総統選では中国は自らの息がかかったホンハイ元会長・カクタイメイを台湾総統選に担ぎだす動きを見せており、米国をバックにした蔡英文との一騎打ちも予想され、米中覇権代理戦争となりそうな雲行きを見せている。