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米中対立、「何から何まで」に広がる

米中対立、「何から何まで」に広がる

ブルームバーグ
●11月の米大統領選を前に相互威嚇の構図エスカレートの見通し
●「氷河期の状態続く」と中国ウオッチャーのポーリン・ルーン氏

米国と中国の対立は予測不可能かつ新たな領域に広がりつつある。
今週だけを見ても、中国のバイトダンス(字節跳動)が運営する短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」について、米国内での使用禁止を政権として検討しているとトランプ大統領が認めたほか、大統領の側近の一部が香港ドルの米ドルとのペッグ制度に打撃を与えるよう望んでいることが分かった。
米国の大学で毎年学ぶ何十万人もの中国人留学生のビザ(査証)発給に関しても懸念が生じている。
新型コロナウイルスへの中国の対応や同国の「香港国家安全維持法」制定を巡る対中報復を意図したものであり、米中貿易戦争に終止符を打って両国経済や企業に恩恵をもたらすと期待された1月の第1段階貿易合意に影を落としている。
中国側も米国などに対し、香港問題などへの干渉をやめるよう警告し、対抗する方針を表明している。こうした両超大国間の対立は、世界経済が大恐慌以来の危機に直面しているまさにこの時期に先鋭化している。
香港を拠点とする調査会社アジアアナリティカのマネジングディレクターで、経験豊かな中国ウオッチャーのポーリン・ルーン氏は米中関係について、「氷河期の状態が続くだろう。雪解けの前に一段と冷え込むことになりそうだ」と語った。
11月の米大統領選を前に、米中が相互に威嚇し合う構図はエスカレートする見通しで、当面はほとんど仕切り直しが見込める状況にない。
香港ドルのペッグ制への米国の威嚇について見れば、米国の銀行や企業に打撃を及ぼしかねないことから、実現性は低いとエコノミストは考えている。ただ、このような議論が行われていること自体が新たな不安の種となる。
ナティクシスのアジア太平洋担当チーフエコノミストアリシア・ガルシアエレロ氏は「勢力の再編成が急速に進展している。威嚇のスパイラルは少なくとも米大統領選まで、そしてその後も続く公算が極めて大きい。それは新たなパラダイムにすぎない」と話した。