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米国による『中国潰し』が、より一層強まる2019年

新年明けましておめでとうございます。
新年早々、世界経済には悲観的なことからお伝えすることになります。それが、2019年の相場を語る上での基本スタンスとなりそうです。

中国国家統計局は31日、製造業の景況感を示す12月の購買担当者指数(PMI)が前月比で0・6ポイント低い49・4になったと発表した。PMI悪化は4カ月連続となる。2016年2月以来、2年10カ月ぶりの低水準で、好不況を分ける節目の50を割り込んだのは16年7月以来、2年5カ月ぶりとなる。
トランプ米政権が中国からの輸入品に追加関税を課し、中国側も報復関税をかけるなど米中貿易戦で輸出入が振るわず、製造業が設備投資や資材調達を縮小したことが大きく影響している。
中国のPMIは、国家統計局が製造業3000社の主な優良企業を対象に、今後の生産や調達の計画などを調査している。実際には、脆弱企業や不振企業の方が圧倒的に多いため、企業の景況感は相当に悪化していると言えます。

中国製造業PMI
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ポータルサイト・網易は10月、「今年上半期に中国国内で504万社が倒産、失業者数200万人超」と伝えていましたが、たった3000社、それも優良企業のサンプリングデ-タでこの有様なので、中国経済の悪化ぶりは急速に進んでいると思われます。
PMIを構成する項目のうち、輸出向け新規受注の動向を示す指数が46・6で前月比0・4ポイント下落。輸入の指数は同1・2ポイントも下落して45・9に悪化しており、先行きはもっと厳しいことが予想されます。

11月中国の工業利益が前年度に比べ1.8%下がり5948億元であった。これは2015年12月以来、初めての減少である。
徐々に追い詰められている中国が確認できる。
その兆候の1つは、中国の経常収支にある。

経常収支推移(直近)
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経常収支(10年間)
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中国が海外から荒稼ぎすることを許さないと公言したのが、トランプさんだった。
昨今、中国と米国の交易が拡大し、相互依存が進んできました。いわば、Win-Win(自分も勝ち、相手も勝つ)のキレイごとの時代が続いてきた訳ですが、中国の一帯一路構想、対米国を見据えた軍拡は、もはや世界覇権につながる重要な問題として米国も危機感を持つに至りました。
中国を叩く、潰すことは米国にとっても痛みとなる。言ってみれば、手術するのに痛みを伴う。しかし、腫瘍(中国)を取り除くには痛みは避けられない。痛みを我慢した先に、再び健康を取り戻すことができるとの認識に至った。
平和な時代もあれば不幸な時代もある。平和ばかりは続かない。しかし、不幸ばかりも続かない。
Win-Win(自分も勝ち、相手も勝つ)のキレイごとの時代もあれば、Win-Lose(自分が勝ち、相手は負ける)の本音の時代もある。
今、Win-Winの時代から、Win-Loseの時代へ変わりつつあることは、誰の目から観ても明らかでしょう。
トランプ政権が公表した「国防戦略 2018(NDS-2018)」において、「大国間角逐(かくちく:互いに争うこと)」こそが米国の国防にとって最大の脅威であり、「軍事大国の間における強度な競合」という軍事環境に突入したという現状認識を大前提にしている。そのような大国間角逐に打ち勝つことによって米国の国益を維持する、というものである。米国にとっての大国間角逐とは中国の軍事力に向けられたものであり、容赦なく中国を叩くことが米国の国益につながるという信念は確固たるものとなっています。
米国としては世界の覇権力を中国に絶対譲らない、譲れない、その強い意思が2019年により一層強まることでしょう。
今、注目されている5G(第5世代移動通信システム)ネットワーク。中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)については「重大な懸念」があるとして、米国を皮切りに先進各国が排除に動いている。5Gネットワークにおいて、先進各国は中国が悪意を持って行動しているという事実を認識し始めた。
ペンス米副大統領は10月、シンクタンクのハドソン研究所で行った講演で、過去25年間中国経済成長は、国際通商ルールを無視し、各国のハイテク技術を略奪することに基づいていると中国を非難した。
中国共産党は、関税、為替操作、強制技術移転、知的財産権の窃盗や産業補助金など、自由・公平な貿易ルールに反した政策を取っている。中国の製造業はこの政策によって成り立ってきた」と。
米国知的財産権窃盗に関する委員会(Commission on the Theft of American Intellectual Property)が2017年にまとめた調査報告書によると、機密商業情報の窃盗や違法なコピー商品などによる年間損失は、2250億ドル(約24兆9742億円)から6000億ドル(約66兆5979億円)に達している。しかし、これには特許権侵害は含まれていない。
一方、日本の経済産業省が発表した「2016年度模倣被害実態調査」によると、産業財産権保有する日本企業のうち、同年度中模倣被害を受けた企業数は9284社。調査対象企業17万797社のうちの5.4%を占める。「模倣被害を把握していない」企業数は5万7328社で、全体の約33.6%もある。国・地域別の被害状況によれば、産業財産権保有する企業が受けた模倣品被害の状況を模倣品の製造国、経由国および販売提供国でみると、いずれも中国(香港を含む)が最多となっていた。
もう、さすがに中国を野放しにはできないと、各国の意思は共有されている。2019年は米国とともに中国の動向が見逃せません。