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米国景気拡大 史上最長の10年1か月の見通し

米国経済は7月、景気拡大の期間が121か月、10年と1か月となってこれまでで最も長くなる見通しです。好調だった企業業績と個人消費に支えられた形ですが、中国との貿易摩擦の激化や、成長率の低下も目立ち始めていて、景気拡大がいつまで続くのか?
米国経済は、2008年9月のいわゆる「リーマンショック」で深刻な不況に陥ったあと、結果として金融機関への公的資金の投入や大規模な金融緩和によって、翌年2009年の7月から景気拡大が始まりました。
とは言え、為替相場はそれに合った動きをするわけではなく、ドル/円での円最高値は2011年10月でした。実体経済よりも遅効することになります。
この景気拡大局面は、この6月でまる10年になりましたが、プラス成長を維持していることや消費や雇用の経済指標に前年割れがないことから、7月も景気拡大が続きます。
この間、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、およそ8500ドルから2万6000ドルと、3倍以上に値上がりしました。異常な熱狂ぶりです。現在においては、根拠なき熱狂としか言い様がありませんが。
世界的に巨大IT企業の急速な成長の一方で、自動車など製造業では経営破たんや大規模なリストラを余儀なくされ産業構造が大きく変化しました。
トランプ政権は、大規模な減税で個人消費を刺激してきましたが、中国との貿易摩擦の激化に象徴される保護主義的な姿勢や成長率の低下など、大きなリスクも顕在化しています。
市場関係者の間では、当面、米国経済は「減速すれども不況なし」という状況が続くとの見方が大勢ですが、そこに大きな落とし穴がありそうです。
大手金融グループ「モルガン・スタンレー」チーフ・エコノミストのエレン・ゼントナー氏は、リスクは貿易問題と世界経済の減速だという見方を示しました。「経済の世界的な流れが変わる時、勝者と敗者が出現することがある。FRBが緩和路線に転換したことでドルは弱含んでいくことになり、米国経済にとってはプラスだが、ほかの地域では問題を引き起こす可能性もある。円は強くなり、日本の輸出産業には難しい局面が訪れるだろう」と述べました。
市場関係者の見方では、円が強くなることで一致しているものの、米国経済も底堅いとの思惑から、まだ一方的に円が強くなるわけではないとの見方も根強いようです。
ただ、前々から私fxdondonは予想していますが、米国の第3四半期の経済成長がピタッと止まる。その時に、米国経済が底堅いという認識が崩れ去ることでしょう。
まずは、6月の米国雇用統計の結果を待ちましょう。製造業の弱さは確認済みですから。突然、米国経済が急崩れするわけでもなく、弱い結果一つ一つの積み重ねですから。

ちなみに、米・6月ISM製造業景況指数は市場予想を上回り、51.7となった。
しかし、前月5月の52.1から悪化。弱い製造業を裏付る形となっている。これで3カ月連続の低下となり、2016年10月以来の低水準。
特に新規受注が50.0に低下し、今後のビジネスが縮小する方向にある。