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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

中国バブル経済のリスク記事が増えましたね

ブル-ムバ-グ
「中国株式市場が抱える72兆円リスク-株安続けば担保株売りの悪循環」
中国企業の株式を裏付けとする融資を最も多く提供しているのが銀行と証券会社だ。中国本土株の値下がりが続く中で、主要なリスクの一つとなっているのがこうした株式担保だ。
5兆ドル規模の中国株式市場で約4兆4500億元(約72兆円)相当の株式が担保として差し出されていると四川省成都の調査会社PYスタンダードは分析している。
そうしたローンの半分余りを抱えるのが銀行と証券会社で、株安が続いた場合、貸し手は担保として保有している株式の一段の放出を余儀なくされ、悪循環が長期化しかねない。
PYのアナリストらは、貸し手が自らを守るため担保としている株式を大量に売ることを強いられれば、市場リスクの悪化は必至だとした。

ロイター
中国では多くの証券会社や銀行にとって、企業の株式を担保として実行した多額の融資が大きな頭痛の種となりつつある。融資先企業の株価が急落したためだ。
企業の大株主が株を担保に差し入れて証券会社や銀行から借り入れを行う動きは、当局が影の銀行(シャドーバンキング)の締め付けを強める中で、昨年活発化した。しかし株価の急落で担保価値も大幅に目減りし、貸し手は苦境に置かれてしまった。
現在は中国上場株の1割、およそ6200億ドル相当が担保として差し入れられており、その大半は景気減速や米中貿易摩擦で痛手を一番に受けている中小企業だ。
今年1─9月に上場証券32社が計上した引当金は総額10億ドル超で、前年の2倍だった。株式担保融資のデフォルト(債務不履行)増加で、7─9月期の上場証券の利益は50%減っている。
ヘッジファンド幹部のYang Xiaofan氏は危機終息を宣言するのは早過ぎると強調する。同氏は「担保株の『死のスパイラル』は長い時間を伴うプロセスであり、上場企業の主要株主のキャッシュフローを圧迫し続けるだろう」と述べ、株式担保融資に過度に依存し、担保価値減少で手元資金難に見舞われている多くの中小企業は既に貸し手にとって不良資産化していると付け加えた。

武者陵司(株式会社武者リサーチ 代表)
米国の対中封じ込め政策の最重点は、 人民元切り下げ禁止ではないだろうか。というのは、そこに中国のアキレス腱があると考えられるからである。日米貿易摩擦の時、最終的に日本を追い詰めたのは超円高であったが、対中においても為替を念頭に置いていると思われる。中国沿岸部の賃金は今やどのアセアン諸国よりもはるかに高くなっている。また、ハイテク分野においては技術者の所得は日本より中国の方が高いと言われるほど、中国は高給国化した。
よって人民元を切り下げてはいけないとなると、輸出競争力は大きく落ちる。加えて経済成長のけん引車である投資が、これまでの鉄・セメント・労務費の塊であるインフラ・不動産・重厚長大産業設備の3分野から、ハイテクへと大きくシフトしている。ハイテク投資は圧倒的に日本をはじめとする海外の機械・素材・部品などに依存しており、輸入が大きく増えざるを得ない。すでに中国の貿易黒字はここ数年年率20%強の大幅減少を続けている。数年後には中国の貿易黒字が激減し、経常赤字国に転落する可能性がある。
そうなると、中国に投資している巨額の海外資本に流出圧力が高まる。中国の高成長は海外からの巨額の資本流入によって可能になったわけで、対外バランスシートは驚くほど脆弱である。対外純資産は外貨準備高の56%しかない。つまり、巨額の外貨準備の約半分は、返済義務のある対外債務によって賄われているのである。加えて、一帯一路計画に基づいた野放図な対外投融資(ベネズエラスリランカパキスタンなど)の焦げ付きの懸念も高まる。
故に外貨不安が再び台頭し、どこかの時点で人民元が大暴落をする可能性は大きい。それは国内でのバブル崩壊の引き金をひき、経済、金融危機を引き起こすかもしれない。3年後、5年後か、そうなるまでアメリカは中国の人民元の切り下げを絶対に許さないというスタンスを取り続けるだろう。政策破綻した中国は、政権の危機に直面していくかもしれない。このようにしてトランプ政権が始めたアメリカの中国封じ込めは大きく成功するだろう。それは、世界唯一のスーパーパワー、米国の再構築という時代を画すものとなるかもしれない。