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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

中国企業 デフォルトリスク

中国企業債務不履行(デフォルト)は増えている。
日経アジアレビュー13日付によれば、今年上半期において、中国企業債務不履行(デフォルト)規模は600億元(約9395億円)にのぼった。過去最高規模となった。
中国金融情報企業Windによると、今年上半期中国信用債(無担保社債)の債務不履行(デフォルト)規模が668億元(約1兆475億円)に達し、前年同期比約263%増となった。
今年上半期における製造業のデフォルトが全体の6割以上を占め、景気減速で製造業が経営難に陥っている実態が露呈した。

The Wall Street Journal
●ドル建て債の帝国となった中国、元安で浮かぶ弱点
マクロ的な指標である中国のバランスシートは安心感を誘う。中国の対外投資残高は差し引きプラスで、これは単純に、国外に有する資産が外国からの借入額を上回ることを意味する。
国際決済銀行(BIS)のデータによると、非上場の政策銀行を含めた中国銀行システム全体でもやはり、ドル建て資産が負債を上回る。
だが、細部を見れば話はもっと複雑だ。中国の四大商業銀行はいずれも国有銀だが、ドル建て資産はもはや負債を上回っていない。とりわけ中国銀行は、ドル建ての借入額の方が貸出額よりはるかに大きい。
企業部門もここ数年、全般的にドル建て債の発行を膨らませてきた。ノムラのアナリストらによると、中国企業によるオフショア市場でのドル建て債発行額は2014年末以降に3倍余り増え、今年6月末時点で8416億ドルに達した。国家外貨管理局(SAFE)の統計によると、債務残高はノムラの推計の半分以下で、公式データの正確性に疑問が湧く。
不動産開発は最もぜい弱なセクターだ。ICE バンクオブアメリカ・メリルリンチ・アジアン・ダラー指数には同セクターの債券1250億ドル余りが含まれる。つまり、不動産セクターはアジアの高利回りドル建て債の約半分、ドル建て債市場全体ではおよそ15%を占めていることになる。これに次いで債務水準が高いのが金融サービスセクターだが、不動産に比べ半分以下だ。
シンガポールDBS銀行の調査によると、複数の不動産開発業者が高水準のドル建て債務を抱えている。建業地産や当代置業、花様年など大手の開発業者は2018年末時点で、非人民元建て債務が総資本の8割を超えていた。2015年にオフショア市場でデフォルト(債務不履行)に陥った不動産大手の佳兆業集団は、その後にドル建て債市場への復帰を果たしたが、資本に占める債務の比率が100%超に達している。こうした企業の株価は当然ながら、元相場の変動に極めて敏感に反応する。
このエクスポージャーがどれほど危険なのかという疑問は、中国の金融情勢を巡ってよく耳にする2つの疑問に回帰する。誰が政府の支援を得られるか、そして中国の統計は正確なのか、という疑問だ。中国政府がBISに報告する数字が正確なのであれば、最も過剰なレバレッジを抱える開発業者をも救済できる余裕がある。もしそうでなければ――あるいは政府に救済する気がないならば――住宅市場の減速と相まって、元安は一部企業を追い詰める可能性がある。
不動産市場は中国の家計資産のよりどころで、国内経済活動の大半が根ざすところだ。この基盤への脅威は、政府が防御しなければ(あるいはできなければ)、国内金融システムに波及しかねない。

ブル-ムバ-グ
中国人民元の月間下落率が記録的な大きさとなりそうだ。米国との貿易戦争激化が投資家心理を損ねている。
人民元は8月に入り、3.9%下落。人民元レートが一本化された1994年1月以降で、月間としては最大の下落率となっている。米中の貿易摩擦が激しくなり、元安が進んだ結果、今月は金融危機以来となる1ドル=7元台を付けた。中国の景気減速を示す新たな兆候や追加金融緩和を巡る観測も下落に拍車を掛けた。
クレディ・アグリコル新興国市場担当シニアストラテジスト、ダリウス・コワルツィク氏は26日付のリポートで、通商協議が進展している明確な兆しがなければ「中国経済と市場にとって見通しは悪くなるだろう」と予想。短期的には対ドルで7.3元へと下げる可能性があるとした。
中国人民銀行中央銀行)が現在の元安に焦りを強めている兆しもある。27日の中心レートは5営業日連続で予想よりも高めに設定した。人民元が持続的に下げれば資本流出が相次ぎ、一段と通貨安が進む恐れがあり、金融の不安定化につながりかねない。