fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

米利下げはあと4回、計1%と市場が予想

米利下げはあと4回、計1%と市場が予想-貿易戦争悪化で

ブルームバーグ
●米10年債利回りは一時1.76%-2016年11月以来の最低
●日本の10年債利回りはマイナス0.2%に低下

米中貿易戦争の激化を受けて、短期金融市場は合計で1%の米追加利下げを織り込んだ。
中国当局は5日、1ドル=7元を超える人民元安を容認。通貨戦争の懸念が高まる中で、米スワップ市場のトレーダーらは2021年1-3月(第1四半期)まで米金融当局が4回の利下げをするとの見方に転じた。先週の米利下げ後はあと3回、75bpの引き下げが予想されていた。
中国人民銀行中央銀行)が人民元の中心レートを今年の最低水準に設定したことを手掛かりに米国債相場は上昇。その後、中国政府が国有企業に米国産農産物の輸入を停止するように要請したと報じられ、さらに値上がりした。
ソルター・ブラザーズ・アセット・マネジメントのディレクター、ジョージ・ブーブラス氏は、「貿易戦争の結果、世界中で購買担当者指数(PMI)が急低下しているため、連邦準備制度を含む中央銀行は対応を強める公算が大きい」と述べた。 米国債利回り低下は年末まで続くだろうと付け加えた。
米10年債利回りは5日、一時16年11月以来の最低となる1.76%を付けた。日本の10年債利回りはマイナス0.2%に低下した。

ドル資金ひっ迫、世界の市場に広がる-プレミアムが今年最高付近

●米財務省証券の大量発行や欧州、英国の金利見通しがドル需要押上げ
●日本の投資家の海外資産購入もドルひっ迫を後押し

ドルを借り入れるコストが上昇している。ドル資金ひっ迫は世界の短期金融市場で見られ始めている。
3カ月物のクロスカレンシー・べーシススワップによると、ユーロ、ポンド、円をドルに交換するために投資家が支払うプレミアムは月末越えでやや低下したものの、依然として今年の最高付近にある。ドルひっ迫はさまざまな要因によって引き起こされているため、当分の間続くかもしれない。
債務上限を巡る米議会の妥協を受けて米財務省証券の大量発行を投資家が見込んでいることや、欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中銀)の緩和見通しでユーロとポンドに下押し圧力がかかっていること、日本の投資家が海外資産を購入するために円をドルに交換しようとしていることなどが、ドルひっ迫の理由だ。
財務省は8月と9月に少なくとも2500億ドル(約27兆円)相当の短期債を発行する可能性があり、これがドル不足を悪化させるだろうと、トロント・ドミニオン銀行の欧州金利ストラテジスト、プージャ・クムラ氏がリポートに記述した。
ドルの需要が高まる一方で、ECBが年内に政策を緩和するとの見方からユーロの借り入れコストは低下。同時に、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感の高まりでポンドも下落している。こうした中で、ユーロ圏と英国の投資家は外貨建て資産のヘッジを開始した。
日本では、1年物のドル・円クロスカレンシー・ベーシスが1年余りで最も大きくなった。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が為替ヘッジを拡大するとの臆測などが背景にある。
日本の投資家が保有米国債の為替リスクをヘッジするコストは現在、米30年債利回りを上回っており、日本の投資家はよりリスクの高い資産へと向かっている。三井住友DSアセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは、ヘッジコストが高止まりしているため為替リスクを避けたい日本の投資家は米国債ではリターンを得られず、米社債で利回りを追求するしかないかもしれないと指摘した。