fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

ネガティブニュ-ス   fxdondon's select 

産油国ショック ロシア急浮上

【モスクワ共同】ロシアで新型コロナウイルスの感染拡大が4月に入り一気に加速、18日には感染者3万6793人、死者313人に達し、世界のワースト10カ国入りする勢いだ。「事態をコントロールしている」との政府の楽観論は消え、警戒が広がっている。
ロシア政府によると、3月1日時点での感染者は全国で3人だった。28日時点の感染者数は全国で1264人にとどまり「ロシア医療体制の優越性の証し」など楽観論が広がった。
しかし、4月に入ると状況は一変。感染者数は5日が5389人、9日が1万131人、14日が2万1102人、18日が3万6793人と感染拡大に歯止めがかからなくなった。

f:id:fxdondon:20200419085833j:plain

f:id:fxdondon:20200419085850j:plain

イタリアと比較して、ロシアでの感染拡大の伸びはハンパではない。

ロシアのシルアノフ財務相は、原油安で20年の連邦予算の歳入が3兆ルーブル(約4兆2000億円)の減収になる可能性があり、財政赤字に転じると指摘した。ロシア財政はようやく赤字に転じようとしてい段階で、政府がデフォルトに陥るには程遠いが。

 

●アップル株は「売り」 ゴ-ルドマンサックス

ゴールドマン・サックスは、米アップル株の投資判断を「ニュ-トラル」から「セル」に引き下げた。新型コロナウイルスの感染拡大による販売、業績低迷が理由。
世界的に雇用破壊が進むと、アイフォンも売れなくなりますし。
アップルショックが米国株全体を押し下げるのかどうか。

ブル-ムバ-グ
新型ウイルス感染拡大により、中国の綿密に調整された生産と物流が妨げられており、アップルにとっては需給両面からの打撃だ。同社の発表によれば、工場の操業再開は予想よりも緩慢なペースで、中国の42店舗の大半は休業同然の状態にあり、世界で人口最多の同国での混乱にアップルのビジネスがどれほど深刻な影響を受けるかを物語っている。

投資運用会社グッゲンハイム・インベストメンツのスコット・マイナード最高投資責任者(CIO)は、S&P500種株価指数の上昇は持続不可能であり、下落局面に入った際には1200まで低下する可能性があると語った。現在の米株式相場は 「流動性のみに支えられている」との見方も示した。

 

●格下げラッシュ

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、米国で同社が格付け対象とするローン担保証券(CLO)債券のうち、約19%に相当する220億ドル(約2兆3660億円)分について、格下げの可能性があると発表した。
ムーディーズは発表資料で、レバレッジドローンを担保資産として証券化された358のCLOについて、リスクやリターンが異なる計859の債券を格下げの方向で見直すことにしたと説明した。裏付けとなる担保資産は記録的なペースで格下げされている。
ムーディーズは同社が格付けするCLO債券の損失予想が「大幅に増加した」と指摘。パンデミックの影響で、企業利益が消失し信用の質が悪化したとしている。見直し対象のCLO債券の40%余りが投資適格級で、「A」が13、「Baa」の水準が355、残りが「CCC」までの投機的水準という。

 

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、メキシコの外貨建て長期債務格付けを「A3(シングルAマイナスに相当)」から「Baa1(トリプルBプラス)」に1段階引き下げたと発表した。
メキシコの格付けを巡っては、S&Pグローバル・レーティングが3月26日に、フィッチ・レーティングスは4月15日にそれぞれ引き下げていた。この日の発表で、新型コロナの感染拡大後の局面で、大手3社が格下げしたことになる。

 

格付け会社フィッチ・レーティングスは先月、英国の長期債務格付けを上から3番目の「ダブルA」から、同4番目の「ダブルAマイナス」へ1段階引き下げた。新型コロナウイルスによる景気の落ち込みに対処する経済対策で、財政が大きく悪化すると判断した。
今回の格下げではEU離脱をめぐり「将来のEUとの通商関係が不透明だ」として、何の協定も結ばれないまま20年末に移行期間の終了を迎える可能性もリスク要因として挙げた。
このコロナショックは、「わずか1年」しかない移行期間の貴重な時間を奪っている。人々の記憶から忘れ去られた「合意なき離脱」が、再び浮上してくる。

 

投機的(ジャンク)等級すれすれのイタリアの格付けについて、S&Pとムーディーズは今後1カ月以内に見直しを行う予定。
イタリアがジャンク国へ転落するのは、現在の状況から観てほぼ間違いない。欧州債務危機の再来は、ギリシャというお決まりの要因に加え、イタリアが加わる。


1兆3000億ドル(約140兆円)に上る米国の自動車ローン市場。
自動車金融会社は、2008~09年の金融危機を比較的うまく乗り切り、住宅部門を巻き込んだデフォルト(債務不履行)の波をなんとか回避できたが、今回の次元の違う危機においては不透明感が強い。
格付け会社フィッチ・レーティングスは3月、自動車金融部門の格付け見通しをネガティブ(弱含み)とした。

 

●巨大ジャンク企業フォード・モーターの行方

格付け会社S&Pグローバル・レーティングスは3月、米自動車大手フォード・モーターの信用格付けを1段階引き下げ、投機的等級の「ダブルBプラス」にすると発表した。新型コロナウイルスの影響拡大で世界の自動車需要が縮小しており、収益の悪化が続くと判断した。
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは昨年9月に同社の格付けをダブルBプラス相当の「Ba1」に引き下げた。
フォード・モーターは13日、2020年1~3月期の世界販売台数(卸売りベース)が前年同期実績から21%減少する見通しだと発表した。新型コロナウイルスの影響でグローバルの自動車販売が落ち込む。
そのフォ-ドが、無担保債を3本立てで起債する方針。最も長い年限は10年で、利回りは11%前後。年10%以上の利払いが持続可能かどうか。
果たして生き残れるのか、大きなショックを起こして消え去るのか?

f:id:fxdondon:20200419103636j:plain

 

●米ドルがまだまだ足りない

中小企業庁(SBA)は17日、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた中小企業の雇用維持を支援する緊急融資制度だが、これまでに3490億ドルの資金のほぼ全てが配分され、支援を受ける企業数は166万社に上る。SBAは前日、同制度の資金が底を突いたと発表していた。

米国中小企業庁(SBA)は4月16日、新型コロナウイルス対策として提供していた融資プログラムである給与保護プログラム(PPP)と経済的損害災害融資(EIDL)について、財源枯渇を理由に新規受付の停止を表明した。米連邦議会では共和党民主党の間で、第4弾の新型コロナウイルス対策法案として同プログラムへの追加財源の投入が議論されているが、16日現在、折り合いがついていない。

ヘッジファンドは命拾いだが・・・

ブル-ムバ-グ
米中小企業を支援するプログラムを、ヘッジファンドも利用できる。
既に一部のヘッジファンドは、従業員が500人未満で「現在の不確実な経済状態で事業を継続するためには、この融資を受ける必要がある」と証明する書類に記入し、融資を申請している。
29億ドルを運用するファースト・ニューヨークの責任者、ドナルド・モトシュウィラー氏は迷っていると言う。受付やオフィス管理担当者の給与を今も支払っているが、在宅勤務のためにこうした社員の仕事はないからだ。周囲のヘッジファンド15社ほどに聞いてみたが、融資を申請する可能性が「ない」とは誰も言わなかったという。

 

●米中石油戦争

WTI原油価格も20ドルが底だろうと観ていた投機筋は、現在多額の含み損に耐えている。

CFTC建玉明細 シカゴ投機筋の原油ポジション

20/04/14 +510,669

f:id:fxdondon:20200419103431p:plain

これは1つの例だが、米国での原油の買い持ち高が高水準にまで膨らんでいるにも関わらず、結果として原油価格は下げている。
答えは、チャイナマネ-にある。中国にとって、原油安と原油高のどちらにメリットがあるのか?言うまでもありません。
中国は金属資源の世界最大の消費国であり、原油も輸入量では世界最大になった。
中国では2018年から、人民元建ての原油先物取引が始まった。原油先物を上場したのは上海先物取引所グループ。中国は輸入量の多い中東産原油を上場させることで、国際的な価格形成への影響力を強めた。人民元を使って原油相場を操作できることになったのは、ここにきて大きな意味をもっている。
現在ではコロナショックで、米中貿易戦争の関心が薄れた。しかし、その戦争はまだ続いている。今までは米国の一方的な中国への制裁であったが、中国の反撃が原油安の操作である。世界最大の産油国となった米国に、中国が原油安で制裁しようとする狙いがある。
米中貿易戦争、いや覇権戦争はますます激化していく。