fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

企業破壊

ロイタ-
直近の景気後退局面を見ると、08-10年で米企業数は10万社余り減少し、雇用は850万人も少なくなった。特に建設業と製造業の中堅企業が姿を消した。
今回は、サービス業と接客業が最も打撃を受けており、様相は異なるだろう。セントルイス地区連銀は、人との接触度が高い業種で働く4600万人が近く失業するかもしれないと試算。
60万社を対象にした調査によると、27日間の事業を賄えるだけの資金を保有している社は半数にすぎなかった。つまり1カ月前後たてば、経営者たちはほぼ、借金や個人の金融リスクを増大させるか、会社を畳んで別の道を歩まざるを得ないということだ。

ロイター
格付け会社S&Pグローバルは31日、格付けがジャンク級(投機的等級)の欧州企業によるデフォルト(債務不履行)率が今後12カ月でほぼ4倍の8%に達する見通しと発表した。昨年は2.2%だった。
また原油価格の大幅安により、石油・ガス業界が「特に大きな打撃を受ける」可能性が高いとした。

ダイヤモンドオンライン
「欧米企業が発行するトリプルB格の社債が金融システム不安の火種となっている」。野村総合研究所木内登英エグゼクティブ・エコノミストはこう述べ、企業の過剰債務の存在に警鐘を鳴らす。
海外の市場関係者の間では、「投機的水準」の社債(ジャンク債)の一歩手前となるトリプルB格の社債が格下げされると「フォーリンエンジェル(堕天使)」が出現したと表現される。
かつてのリーマンショックの反省を踏まえて、銀行への規制は強化が進められてきた。心配なのは、そうした網にかかっていないファンドなどのノンバンクが持つジャンク債予備軍だ。

遡ること、1年前の日経新聞記事。

トリプルB格、欧米10年で4倍 膨らむ企業債務に危うさ
2019/4/16 19:18

2008年の金融危機から10年あまりたち、世界の金融システムに再びもろさが見え始めてきた。浮かぶのが民間の「債務」に潜む危うさだ。長引く低金利で信用力の低い企業を中心に借金が膨らみ、金融安定のリスクになっている。
「先進国で企業の借金が増え、借り手の信用力が悪化している」。国際通貨基金IMF)が10日に国際金融安定性報告書を公表した際、トビアス・エイドリアン金融資本市場局長が記者会見で最初に挙げた懸念材料が、企業債務だった。
債務残高は欧米あわせて24兆ドル(約2700兆円)と、この10年で4割も増えた。世界的な金融緩和で国債金利は歴史的な低水準に下がった。少しでも利回りを得ようとマネーは社債に殺到し信用力の低い企業も低金利でお金を借りられるようになった。トリプルB格という比較的格付けの低い社債の発行残高は欧米で4.3兆ドルにのぼる。10年で4倍に増えた。
懸念されるのが、「クレジットサイクル」と呼ぶ循環の動きだ。この循環は、投資家がリスクのある投融資に走り、バブルのような状況になったときを「山」とし、金融不安のように取引が極端に敬遠される状態を「底」とする。IMFは、現状は近年で最も過熱している状況で「成熟期を迎えている」と分析する。
景気の急減速や市場の混乱が起これば、これまでの流れが逆回転しかねない。信用力が低い企業にまで大量にマネーが向かっているだけに、金利が急上昇すれば債務を返せなくなる企業が続出する恐れもある。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げ休止など、主要国の金融政策は正常化がとまっている。IMFは「金融緩和が続けば、債務の増加はさらに続き、将来、大きな景気後退につながりかねない」と緩和の副作用にも警鐘を鳴らしている。