面白そうな貴金属相場 特にパラジウム

私fxdondonが密かに面白そうだと思っているのが商品先物取引。原油や材木も面白そうですが、それ以上に貴金属取引が面白そうかと。

乱高下を伴いながら長期的に上昇傾向で史上最高値更新したパラジウム、長期的に安値水準にあるプラチナ（白金）、リスク発生時に注目されるゴ－ルド（金）など、それぞれの特徴に着目し、貴金属だけでポートフォリオを組むトレ－ドもありだと思います。
では、パラジウム、プラチナ、ゴ－ルドとも三品買い持ちがいいのか？それは、能無しのやることですね。どれかを売り持ち、どれかを買い持ちしたヘッジを効かせたトレ－ドがベストです。
ここ最近では、パラジウムの買い持ち、プラチナの売り持ちが最高パフォ－マンスでした。

パラジウム

プラチナ

このあたりの動きは、自動車通や自動車業界に関心のある方が向いていると思われます。

大局的には、ディ－ゼルエンジン車全廃　⇒　ガソリンエンジン車　⇒　ガソリンエンジン＋電気モ－タ－車　⇒　フルモ－タ－電気自動車　という流れになりそうです。

ただ、欧州の例は、2040年までにガソリンエンジン車を禁止し、電気自動車にするという計画。中国は、2030年までに電気自動車にするという目標を立てています。しかし、それまでの間は、従来のガソリンエンジン車がハイブリッド車より車両価格が安く、景気後退局面では財布のヒモも締められるのでガソリンエンジン車の需要が大きいと思われます。

世界一の自動車市場となった中国。従前より排ガス浄化装置はプラチナではなくパラジウムを用いて製造。すでにパラジウムで排ガス浄化装置を作る仕組み、生産体制ができ上がっており、容易に他のプラチナ使用に大きくシフトすることができないのが現状のようです。

温室効果ガス排出規制について、2018年から従来のChina4よりも規制が厳しいChina5が中国全土で適用されており、1台あたりの自動車に用いられるパラジウム量が増加した。2020年からはChina6a、2024年からはChina6bが適用され、さらにパラジウム使用量が増加すると観られる。

それに加えて、欧州の自動車がクリ－ンディ－ゼルからガソリンへとシフトしており、パラジウムの需要は高まる傾向にある。

今回の世界同時不況で、世界的な自動車市場は縮小するが、パラジウム需要がそれに伴って減るということを安易に予想できる状況ではなさそうです。

それに、パラジウムは他の貴金属の副産物として生産されます。それ主体の生産ができません。ゴ－ルドなどと異なって、パラジウム専門の鉱山なんていうのはなく、ロシアの場合でもニッケル（ステンレスなどの材料に使われる金属ですね）を生産した際に、南アフリカではプラチナを生産した際に副産物として得られているのが現状のようです。そうした生産側の構造上、パラジウムに限定して生産量を増加させることは難しいようです。

パラジウムの場合、自動車の大きな動向の他、歯科の動向も影響する。我々が虫歯治療での被せものを『銀歯』などと呼んでいますが、主にパラジウムが使われています。

例えばですが、中国人の一人にひとつの虫歯が発生したとします。14億個の歯の被せもののパラジウムが必要となります。インドを加えると13億個、米国を加えると3億個、・・・と、その数は計り知れません。

価格が高騰すると、その代替えとして、それより安価なものの利用が進むこともありますが、早くても数年後になります。一時的な価格高騰では代替え生産は行われず、高値高止まりが常態化すると見込まれて代替え生産が始まります。

そして、現在のコロナウィルス全盛期。国際的な物流マヒでパラジウムが思うように手に入らないという事態も想定されます。また、総じて資源価格が下落していますが、採算面で鉱山の操業を一時停止するという事態も考えられなくはない。

今、貴金属投機筋はパラジウムが高値圏にあると観ている。私fxdondonもそう思うが、ではそれがこの先も最高値だったのかというとリスクがある。パラジウムの供給面で、上記理由によってさらなる供給不足の事態になると、高値はこの先に更新されることもありそうです。

素人は、下手にパラジウム先物に手を出さない方がいいでしょう。

下図が示す通り、パラジウムの価格上昇は年を追うごとに急傾斜になっています。先日の３山目が最高値かどうかはわかりません。ほぼ垂直に近い４山目が史上最高値の可能性もありそうです。

（パラジウム価格推移）