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やっちゃった日本の銀行

ブル-ムバ-グ
日本の銀行は高債務の米企業向けローン債権の3分の1相当を購入し、同市場の規模が1兆ドル(約110兆円)を超えるのを後押しした可能性がある。UBSグループの新たな推計が示した。
バランスシートの弱い企業向けの融資であるレバレッジドローン。長引く低利回りの影響で、こうしたローンの市場へと、投資資金は流れた。こうした融資の債権は、金利上昇を懸念する投資家に逃避先として購入が持ちかけられ、多くの場合、投資家を保護する目的で信用を補強し、ローン担保証券(CLO)に組成された。
昨年12月12日終了週には過去最大の25億3000万ドルが、レバレッジドローン・ファンドから引き揚げられた。ウェルズ・ファーゴとバークレイズは最近、4億1500万ドル規模の案件を取り下げた。シティグループが調査対象とする米レバレッジドローンのうち、額面を上回って取引されているのはわずか0.9%。つい数カ月前には70%を超えていたのに。
UBSによると、日本の銀行は最上級のトリプルA格付けのCLOを購入している。同等格付けの国債より利回りが高いからだ。過去数年にこのアセットクラスに流入した資金のうち、日本の銀行が約33%を占めていたという。この需要が弱まる可能性はあるものの、日本勢からの投資は最近売りを浴びている市場に安定を与えるかもしれないと、UBSは指摘する。
ティーブン・カプリオ氏らアナリストはリポートで、「日本勢による米ローン買いはそう簡単には崩れないだろう」と指摘する。「大半の日本の銀行は満期まで保有する。信用損失の見通しが鮮明になり、リセッション(景気後退)のリスクが今より大きく上昇する状況にならない限り、アウトライトの売りはかなり限られるだろう」と分析した。

資金流出が始まっているジャンク債市場以上に悲惨な状況になっているのはレバレッジド・ローン市場です。
レバレッジド・ローン市場ではシェール企業関連のウエイトが大きいとされており、原油価格の急落により、ジャンク債以上にレバレッジド・ローン市場は悲惨な状況になっている。
ちまたでは、前回のCDOは米国の住宅価格が下落に転じると流動性が枯渇し金融危機の引き金となったが、今回も高い利回りを当てにして新種のCDOを多数保有している投資家の「狼狽(ろうばい)売り」が次の金融危機の引き金になる可能性があるともささやかれる。
心配なのは、レバレッジド・ローン市場に大量の資金を投入しているのが日本の銀行であるということ。
原油価格が現在の価格に落ち着くようだと、いずれシェール企業の破綻によって、ジャンク債市場とリスク性の高いレバレッジド・ロ-ン市場は大きく崩れる。
米国社債市場では、投資適格社債の利回りが安定を維持している一方、格付けが低いハイイールド社債の利回り急上昇が顕著となっています。バランスシートの信用力やクオリティに応じて米国企業の資金調達コストに差が付き始めている。潰れるべき企業はもはや潰す、社債市場はそう示しています。

日本の銀行も、今回の金融危機においてはかなりの損失を覚悟する必要がありそうです。