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富国生命保険2019年運用計画

ブルームバーグ

富国生命保険は2019年度の運用計画で、為替リスクをヘッジした形で投資する外国債券の残高を増やす一方、日本国債(JGB)や為替リスクをヘッジしないオープン外債の残高を減らす方針。
小野寺財務企画部長は「内外金利差拡大トレンドが転機を迎え、円安圧力は後退し、円高に備える局面になる」と述べた。利回りは高くはないがヘッジコストがほぼかからないユーロ建てを中心としたヘッジ付き外債の残高を500億円、米ドル建てを中心とした海外クレジット資産の残高を200億円積み増し、「JGBを上回る利回りを目指す」という。
海外の中央銀行ハト派に転じたことを踏まえ、外貨建て資産にかかる為替リスクは引き続き圧縮し、オープン外債の残高は300億円圧縮する。19年に入ってから保有するオープン外債にヘッジを付け為替リスクを圧縮しており、足下のヘッジ比率は7割近い。
1ドル=80円~90円台時代に購入したオープン外債が1ドル=110円程度で償還を迎えれば、その為替差益が見込め「無理をしなくても一定の収益が稼げる」という。また、為替リスクを取らない国内株式や国内不動産をそれぞれ200億円積み増し、伝統資産の低い利回りを補完する。

ロイター

円高リスクに備え、ヘッジ外債にシフト=19年度・富国生命計画

富国生命保険は、2019年度の一般勘定運用方針で、円高リスクに備える。欧米中銀のハト派化により内外金利差シナリオを修正。オープン外債への投資を減らし、為替ヘッジを付けたユーロ建て外債などに資産運用の中心をシフトさせる方針だ。株式も安定配当が見込める国内株を積み増す一方、外国株は横ばいの計画。超低金利が続く円債は引き続き抑制する。
「転機を迎えた」──小野寺氏はそう話す。10年国債でさえゼロ金利近辺の日本に対し、外債は以前と比べると低いとはいえ金利が一定程度ある。内外金利差による円安進行、もしくは極端な円高が進まないという見通しの下で、同社では為替ヘッジを付けないオープン外債を中心に資産運用を行ってきた。
しかし、FRBが1月に利上げを休止。ECBも利上げ時期を来年以降に先送りするなど、欧米中銀の金利正常化路線は急ブレーキがかかった。日銀の政策に変化はないが、内外金利差が縮小すれば円高圧力が強まる可能性がある。
「世界経済は減速するも失速しないのがメインシナリオだが、欧米中銀がハト派に転じたことで円安圧力は縮小しやすくなった。政治的な不透明要因も多い。いまは円高リスクへの備えを強化すべき局面」(小野寺氏)という。
今年度の運用方針の中心となるのが、オープン外債からヘッジ付外債へのシフトだ。2019年初から保有のオープン外債に為替ヘッジを付けることで、ヘッジ外債化してきたが、今年度もシフトを継続する。
オープン外債は昨年10月時点の1500億円の増加計画に対し、前年度は800億円の減少となった見込み。今年度も300億円の減少を計画している。ヘッジ外債は前年度500億円の減少計画だったのが1800億円の増額見込み。今年度も500億円の増加方針だ。
ヘッジ付外債はユーロ建てを中心に、財政赤字が大きいイタリアを除く欧州主要国の政府機関債や国際機関債などに投資する方針だ。米債はドルのヘッジコストが高止まりしており、国債だけでなく政府機関債などへの投資も難しいという。
海外でも金利が低下傾向にあるが、利回りが高いからといってリスクが大きすぎる投資は行わない方針だ。「リーマン・ショック円高時に投資したことで為替差益が大きくなっているオープン外債の償還が今年度もあり収益的には比較的余裕がある。無理に利回りを追う必要はない」(小野寺氏)という。