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デフレで強くなる円

産経新聞
総務省が22日公表した4月の全国消費者物価指数(平成27年=100、生鮮食品を除く)は前年同月比0・2%下落の101・6となり、増減率が平成28年12月以来、3年4カ月ぶりのマイナス圏になった。新型コロナウイルスの影響で個人消費の落ち込みは長期化が避けられない。物価が持続的に下がるデフレ局面に回帰し、企業の収益力悪化や雇用・賃金の減少につながることが懸念される。
消費者物価の増減率は昨年10月の消費税増税で押し上げられており、この影響を除くと0・6%の下落だった。品目別では原油価格の急落に伴いガソリンが9・6%、灯油が9・1%それぞれ下落した。またホテルなどの宿泊料は訪日外国人の激減で7・7%下落。イベントの中止や冠婚葬祭の縮小が相次いだことで切り花は1・9%下落した。
4月の緊急事態宣言発令後、自粛ムードで「不要不急」の消費は手控える傾向が強まった。新型コロナの治療薬やワクチンが開発・普及するまでは、「新しい生活様式」のもと人の移動が抑制され飲食店などの客足も鈍化する恐れがある。
既に持ち帰り客向けの営業にかじを切った飲食店では値下げの動きがある。消費の低迷が長引けば、値下げで需要を掘り起こそうとする店舗が増えそうだ。
物価下落は短期的には家計負担を減らす。ただ販売価格が下がれば企業の収益力が落ち、賃金が低下して消費者の購買力を奪う。こうした悪循環で景気悪化が加速する「デフレスパイラル」に警戒が必要になる。