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不良債権に脅える銀行

英金融大手HSBCホールディングスが28日発表した2020年1~3月期の連結決算は、最終的なもうけを示す純利益が前年同期比57%減の17億8500万ドル(約1900億円)だった。貸倒引当金の繰入額は30億2600万ドルと、前年同期の5.2倍に急増した。

英銀バークレイズが29日発表した1-3月(第1四半期)決算は、トレーディング収入が好調だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で貸倒引当金が21億ポンド(約2780億円)に膨らみ、影を落とした。

英銀スタンダードチャータードは、新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)で不良債権が増加する中、1-3月(第1四半期)に貸倒引当金9億5600万ドル(約1020億円)の積み増しを行った。
スペインの銀行サンタンデールが発表した第1・四半期決算は、純利益が前年比82%減少した。貸倒引当金を16億ユーロ計上し、総額は80%増加した。
既に発表済の米大手銀行4行の2020年1~3月期決算は、いずれも大幅な減益となった。新型コロナウイルス感染拡大による景気の落ち込みにより貸出金が回収できない事態を想定し、多額の貸倒引当金を計上した。
JPモルガンは個人・企業向けに貸倒引当金を68億ドル追加計上。不良債権処理費用なども含む与信費用は、前年同期から約5.5倍に膨らんだ。ダイモン最高経営責任者は「厳しい景気後退の可能性に備えた」と説明する。バンカメは引当金を36億ドル追加。ウェルズ、シティも大幅に積み増した。

結局、予測できたように、銀行は貸倒リスクに見舞われている。
ただ、今回の次元の違う危機は、銀行の貸し出し先の状況が、正常債権から灰色債権へと移行する期間が極めて短く不良債権へと変わった。
かつての経済危機状況であれば、徐々に売上が減少し、徐々に利益も失われて不良債権化がわかりやすかったが、今回は一気に正常債権から不良債権化が進んだ。
こうなると、金融危機が想定されて当然となる。日本円が強くなるのもうなづける。

そのような状況下、ジャンク企業の目玉である米フォード・モーターの行方が気になります。

ジャンク企業で注目の米フォード・モーターは、4-6月(第2四半期)の営業損益が50億ドル(約5300億円)超の赤字になるとの見通しを示した。
フォードは経済環境が不透明なため通期見通しを示すことができないと説明し、5月18日に米国工場の生産を一部再開することを目指しているとした。
一方、全米自動車労組(UAW)のギャンブル委員長は23日、自動車工場とミシガン州経済を5月上旬に再開するのは「あまりに早くあまりに危険」だと表明した。職場が安全だと確信するのに科学的データとウイルス検査が不十分だとしている。

どうなるんでしょうか、フォ-ドモ-タ-は。
元々、非効率的自動車生産で悪名高きフォ-ドモ-タ-。売上原価率も日産自動車より高く、今回の次元の違う危機を乗り越えられるのか?

フォードモーター
売上原価率 Cost of sales ratio
86.4%

日産自動車
売上原価率 Cost of sales ratio
83.6%

トヨタ自動車
売上原価率 Cost of sales ratio
77.38%

ボルボ・カー・コーポレーション
売上原価率 Cost of sales ratio
75.7%

 

公表されている失業者数は氷山の一角

ロイター
新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)を受けて失業者が急増している米国で、なお1000万人前後の人が失業保険を申請できていないことが調査結果で分かった。
左派シンクタンク「エコノミック・ポリシー・インスティテュート(EPI)」が28日に公表したオンライン調査の結果によると、過去4週間に失業保険を申請した失業者10人に対し3─4人が申請しようとしたができなかったと回答。また、2人が手続きが難しく申請できなかったと答えたという。
労働省が23日発表した18日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)によると、3月半ば以降の申請件数は約2650万件に上った。
EPIはこの調査から、さらに890万─1390万人が失業保険を申請できていないとしている。
失業者らは、ウェブサイトがダウンしており、電話もつながらないために保険申請ができないと話した。
EPIの調査は成人2万4607人を対象に、今月13─24日に行われ、誤差はプラスマイナス1%だという。