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レバレッジドローン4兆円相当の価値が急落

ブル-ムバ-グ
約400億ドル(約4兆3000億円)相当のレバレッジドローン債権が、価値を大きく下げている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、50社余りの企業向けローン債権は、3カ月の間に額面の少なくとも10ポイント相当の価値が失われた。さらに大きく値下がりしたローンもあり、貸し手がローン債権を売ろうとした場合、額面の3分の2を回収できれば幸運という状況だ。
景気が減速する中で、プライベートエクイティ(PE、未公開株)取引や配当支払いなどのために巨額の借り入れを行った企業に対し、貸し手と格付け会社が忍耐を失い、エネルギーやヘルスケア、通信などさまざまな業界の企業向けローン債権の価値が下がった。
ジャンク級のレバレッジドローン市場が本格的に崩れているというわけではないが、リセッション(景気後退)観測を背景に投資家が信用のない企業を敬遠する状況で、センチメントの転換、恐らくは潜在的な市場リスクを反映するものといえる。
イートン・バンス・マネジメントの銀行ローン担当共同ディレクター、 アンドルー・スビーン氏は、「投資家は良好なパフォーマンスのローンを望んでおり、リスクを冒すことに慎重になっている」と述べた。

今回のバブル経済は、ジャンク企業、ゾンビ企業が低利で無限度といえる資金調達ができていたことで生き長らえていることが特徴だと思います。
前回の世界金融バブル期は、たとえば米国の政策金利は5%を超えており、資金調達で利払い負担が重しとなりジャンク企業やゾンビ企業は消えていった。
もちろん、今回もジャンク企業やゾンビ企業は消えざるを得ないのですが、資金の出し手側の銀行や投資家は今頃になってようやくリスクを重視するようになったらしいが、すでにジャンク企業やゾンビ企業に多くの資金をつぎ込んでしまった。
先日ご紹介したが、HYG(ドル建てハイイ-ルド債、ジャンク債)指標は頭打ちとなっており、個人的には崩れるのを待つだけに観える。

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前回の金融バブル崩壊は、劣悪な個人向けの住宅ロ-ンが結果として銀行総破綻を招くことになった。今回は劣悪な企業向けのロ-ンが株式バブルをハジけさせ、長らく続いた株式の強気相場は終わる。
注目は、前回のバブル崩壊のように、今回も「銀行総破綻」まで発展するかどうかである。しかし、それは予測不能です。金融デリバティブ金融派生商品の中に、ジャンク企業やゾンビ企業への債権がどこまで組み入れられているのかがわかりません。優良企業、安定企業の債権の中に、わずかながらでもジャンク企業やゾンビ企業の債権を混ぜたような金融商品が、どこまで拡販されているのかは読めません。また、ジャンク企業やゾンビ企業が総破綻を迎えるということでもないでしょうし。
実際、ハジけてみないとわからないものです(苦笑)