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貿易戦争激化

【ワシントン毎日新聞】ロス米商務長官は31日、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限を巡り、一時的に適用を除外してきた欧州連合(EU)やカナダ、メキシコに対しても追加関税を発動する方針を表明した。これに対し、EUやメキシコは報復措置を発動する構え。米中間だけでなく、米欧間や北米各国間でも「貿易戦争」に発展しそうだ。
トランプ米政権は3月、鉄鋼・アルミの輸入急増が「国家安全保障上の脅威になる」として、中国や日本などを対象に鉄鋼などの追加関税を発動。EUや、北米自由貿易協定(NAFTA)を再交渉中のカナダとメキシコなどについては5月末まで適用を除外し、通商交渉で米国に有利な対応を引き出そうとしていた。
しかし、NAFTA再交渉が難航。EUとも発動回避に向けた交渉を続けてきたが、トランプ政権は具体的な成果を得られないと判断。追加関税は6月1日付で発動される。
ロス氏は発動後も「交渉を続ける」と述べた。しかし、ロイター通信によると、EUのユンケル欧州委員長は「数時間以内に報復関税を発表する」と表明。世界貿易機関WTO)への提訴も明らかにした。EUはバーボンやオートバイなど米有力政治家の地元産品を主な標的にする見通しで、米国が再報復する恐れがある。メキシコ経済省も31日、鉄鋼や食品、農産物などを対象に報復措置を実施すると発表。カナダも報復を示唆しており、広範な影響が出る恐れがある。
日米欧の主要7カ国(G7)はカナダで31日から財務相中央銀行総裁会議を、6月8、9日には首脳会議(サミット)を予定しており、通商問題が改めて主要議題になりそうだ。


【ワシントン時事】トランプ米政権は31日、3月下旬に発動した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限で、欧州連合(EU)、カナダ、メキシコに対する適用除外を撤回し、追加関税を6月1日から導入すると発表した。米政権は通商交渉で譲歩を求めてきたものの、折り合えなかった。3カ国・地域はいずれも対抗措置を取る構えで、貿易摩擦に拍車をかけそうだ。
輸入制限は、安全保障上の脅威に対抗する米通商拡大法232条(国防条項)に基づき行われ、鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の追加関税が課されている。日本産品は当初から対象となり、政府が除外を米国に求めている。
ロス米商務長官は31日、「継続協議に期待している。将来柔軟に対応することもあり得る」と語り、EUなどに、現在進めている通商交渉での妥協を促した。カナダ、メキシコとは北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を行っているが、対立は解消されていない。


【NHK】トランプ政権は、鉄鋼製品などへの異例の輸入制限措置で、一時的に対象から外していたEU=ヨーロッパ連合やカナダ、メキシコに対し、1日から新たに高い関税を課すことを決めました。EUは報復関税を課す構えを示すなど、貿易摩擦の広がりが懸念されます。
アメリカのトランプ政権は、ことし3月、安く輸入されている鉄鋼やアルミニウムについて、安全保障上の脅威を理由に高い関税を課す、異例の輸入制限措置を発動しました。
トランプ大統領は、EUに対する貿易赤字が年間16兆円を超えていることなどに強い不満を示してきました。
アメリカは、EUやカナダ、メキシコと協議を続けるとしていますが、ともに自由貿易を推進してきた国や地域への一方的な措置の発動で、貿易摩擦の広がりが懸念されます。
一方、当初から対象にされてきた日本について、トランプ大統領は、貿易赤字の削減に向けた具体的な成果が得られれば除外を検討するとしており、当面、鉄鋼製品などへの高い関税が続く見通しです。
アメリカが鉄鋼製品などに高い関税を課す輸入制限措置の対象にEUを含めると決めたことを受けて、EUのユンケル委員長は31日、声明を出し、「アメリカによる一方的な関税は正当化できるものでなく、WTO世界貿易機関のルールにも反する。純粋な保護主義だ」としてアメリカの決定を批判しました。
そのうえで「WTOに訴えるとともにアメリカからの輸入に関税を課す以外に選択肢はない」として報復措置を取る考えを示しました。
EUはすでに、ウイスキーのバーボンやハーレー・ダビッドソンといったアメリカを象徴する製品などに報復関税を課すとして対象品目のリストの草案を公表しています。EU=ヨーロッパ連合が報復措置をとる構えを示していることについて、アメリカの経済規模と比べ極めて小さなものだとして、国内への影響は小さいと強調しました。
31日のニューヨーク株式市場はトランプ政権が鉄鋼製品などに高い関税を課す異例の輸入制限措置で、EUや、NAFTA=北米自由貿易協定を再交渉中のメキシコやカナダも対象にすると決めたことを受け、貿易摩擦が激しくなることへの懸念が広がりました。
このため海外での売り上げが多く貿易摩擦の影響を受けやすい航空機や建設機械メーカーなどの銘柄を中心に売り注文が広がり、ダウ平均株価は、一時250ドル以上値下がりしました。
市場関係者は「トランプ政権が強硬な姿勢を崩さず、貿易をめぐる不透明感が強まっていることから、リスクを避けようと手持ちの株式を売る動きが出ている」と話しています。