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ドル円の実質実効レート ざっくり1ドル80円

円の実質実効レートとは、各通貨と日本円との間の為替レートを両国の物価指数の比率の変化で調整したうえで、さらに貿易額で加重平均して指数化したものである。
最新値2018年3月時点で、その指数(2010年平均=100)は76.1である。この水準は、変動相場制移行(1973年2月)後の歴史的平均値である97.7を22%程度下回っている。そして、米国財務省の「為替報告書」で指摘しているように、歴史的平均値を25%下回っていると試算される。
円の実質実効レートの水準は、日銀の量的・質的金融緩和導入前に概ね歴史的平均値にあったものが、導入に前後して急速に下落し、大幅な円安状態に転じて今日に至っている。
日本銀行が金融政策正常化策を進める、あるいはその可能性が市場で意識される局面では、円の実質実効レートに近付く。少なくとも、前回の世界的金融危機のような状況下になれば、投機的な円買いも入り、ドル円では70円を割れても不思議ではない状況にある。そのような危機の訪れが1年先、2年先と遅れてやってくるほど日米インフレ格差が拡がり、円最高値を招くことになる。
「円の実質実効レートの現在の水準と歴史的平均値との乖離から仮に概算してみると、経済に中立的なドル円レート水準は80円台前半となる」(野村総合研究所試算)。こんな試算もある。
日本銀行国際決済銀行(BIS)の統計に基づいて、円の実質実効レートを公表している。当然ながら、自ら統計を公表している日本銀行は、現在が超円安状態にあることを十分認識している。だから、日本のインフレを2%にと、頑なにこだわっています。
しかし、経常収支黒字国でインフレ2%となった場合、残念なことに経常収支赤字国のインフレは3%、4%と逃げてしまう。いくら経常収支黒字国が追いかけっこをしても、対象の経常収支赤字国のインフレには追いつけない。
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