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米インフレ低下局面で米ドルはどう動く?

今後の米ドルの動きはどうなるか、大局的な観方を示したいと思います。
今回は、米国のインフレ動向で、米ドルがどう動くのかです。正確には、過去どう動いたのかという過去の経験則です。あくまで米ドルという概念はドルインデックス(ドル指数)であり、個別通貨の円に対してどうの、ポンドに対してどうのというものではありません。
まずは、各自の今の認識をチェックしときましょう。米国が低インフレ化、一時的にはデフレに落ち込むような時期に、米ドル高に動くとお考えでしょうか?米ドル安に動くとお考えでしょうか?この記事の最後の結論と今の認識が合致していれば『勝ち組』に進んでいる、合致していなければ『負け組』に進んでいる、と過去は教示しています。
では、結論(結果)に移りましょう。

 

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米国でインフレが低下している時期を赤線で囲ってあります。

黒線はドルインデックス(ドル指数)です。

米国でインフレ低下がハッキリした初動では、米ドル高が進んでいることが確認できます。理由は考えずに、結果だけを知っておけばよろしいかと。

「インフレが低下すればドルは金利が下がるのでドル安だろう」、「ドル/円は日米金利差で動いている」等、誤解もありそうだが、ここで採りあげているのはドルインデックス。個別通貨で言えば、EUR/USDの動きがこの傾向にあてはまるということです。

日々、週間での動きなどでは、どうとでも転ぶ。EUR高の時もあれば、USD高の時もあるでしょう。しかし、3ヶ月後、6ヶ月後になって軌跡を観れば、EUR安USD高で推移していると確認できそうです。

しかし、私fxdondonのメインは、前と変わらずGBP売り。GBP/JPYの相場予想については前々から記事にしていますので割愛。今回はGBP/USD編です。

まず、英国の通貨ポンドの要因から。

英国のEU離脱がすべてです。ポンドは、三大メジャ-通貨(米ドル・ユ-ロ・日本円)+one(ポンド)というグル-プから、EU離脱によってそのグル-プからも離脱せざるを得なかった。

世界の基軸通貨・世界最大の経済大国通貨である米ドル、世界最大の対外債権国通貨である日本円、世界最大の諸国連合通貨であるユーロという三大通貨の『信用』は大きい。英国は通貨ユ-ロを使用していないものの、これまでEUという後ろ盾があって『信用』が保たれてきた。しかし、英国はEU離脱によってその『信用』も失われた。

これから世界経済で厳しさを増す中、過去『有事のドル買い』『有事の円買い』という言葉はよく耳にした。しかし、『有事のポンド買い』と言う者など誰一人としていない。それは、過去起きた世界的な危機時、ポンドへ資金を移そうなんて考える者はいないからである。

英国が誇れる唯一の『信用』は、世界の公用語として今でも英語が使われていることぐらいです。しかし、それは通貨の価値とは無関係。金融中枢の『ロンドン・シティ』も、ニュ-ヨ-ク・ウォ-ルストリ-トにとって代わられた。

このような英国の信用崩壊が、まずポンドの前提にある。

次に、上記で示したように、英国のインフレとGBP/USDの推移を観てみる。

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英国にとって、完全にEU離脱までの猶予期間があるとはいえ、今回のコロナショックは影響が大きい。
英国の場合、英国のインフレとGBP/USDに、上記米国のような逆相関関係にはなく、相関関係に近いとも言えます。
世界的なインフレ低下局面では、GBP/USDはGBP安USD高になる可能性が高いと言えます。最近1.15までポンドが下落しており、ここからまだ下げるのかという疑念もあるでしょうが、個人的にはGBP下落は道半ばという結論です。