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ニ-マルショック 中国バブル経済の行方

世界金融危機を予想し、世紀末博士とも呼ばれるヌリエル・ルービニ ニューヨーク大学教授。Bloombergで、金融危機・信用危機の発生の可能性を警告した。
「私が長い間言ってきたように、次の金融危機は家計の住宅ローンやレバレッジのかかった銀行が問題となった2008年とは異なり、企業債務やシャドウ・バンクで起こる。米国の問題は企業債務の積み上がりにある。レバレッジド・ローン、CLO、1兆ドルにのぼる投資適格の債務の投資不適格への格下げだ。」

まだ明らかでないのは、現在のコロナショックが今後数か月で落ち着くのか、1年以上にも及ぶのかだという。
「欧米で年後半にまで及ぶようなら、ウィルスだけでなく信用危機の伝染が始まりかねない。流動性は3-6か月は助けになり生き残ることができるだろうが、9か月以上になれば破産するケ-スが多くなるだろう。家計、中小企業、エネルギー・航空などレバレッジのかかった大企業もだ。」

国際金融協会(IIF)によると、世界の債務残高は国内総生産(GDP)の3倍超に増大し、過去最高を更新してきた。
2019年7月、中国の企業・家計・政府の債務総額が19年第1・四半期に国内総生産(GDP)比303%に増加した、と報じた。中国の債務総額は40兆ドルを超えたという。これは世界の債務総額の約15%に相当する。
ただ、負債(債務)の絶対額が問題になるわけではない。GDPの3.5倍、4倍になろうとも、資産(債権)がそれを上回れば別に問題がない。
つまり、資産≧負債なら、両建てはいくらでも膨らませる。株・債券・不動産等≧借金・現金、ならば持続可能となる。
上記のル-ビニさんの考えを参考にすれば、直近で観られた株価下落のうように資産が減少しても、借金を次なる借金で賄えれる6ヶ月は生き残ることができるが、9ヶ月以上になると終わりを迎えるということになる。
家計のケ-スでは、新たにマイホ-ムを購入した人や買って間もない人は債務超過状態にある。どうやってこの債務超過を解消しようと考えているかというと、サラリ-マンの人なら、貰う給料から少しづつ債務を解消していきますと考えている。しかし、給料、拡大解釈では雇用自体が確定的ではない。将来まで雇用が確定している訳ではない。ボ-ナスカット、賃下げ、最悪は失業というケ-スもある。しかし、借金は確定、固定である。
企業も然り。莫大な設備投資やコストは社債や銀行借り入れで賄い、事業活動の収益から債務を解消していくと考えている。
しかし、このサイクルはいつか乱れる。事実、過去の結果はそうなっている。それが、過去の経験則である。理由、原因はどうでいい。理由、原因を探そうとするから、結果が観えないケ-スもある。一見矛盾するようだが、世の中にはそんなこともある。
横断歩道で、青信号になったから人は渡り始める。ところが、信号無視の自動車が突っ込んできて死亡した、ということもある。
一方、赤信号なのに人がゾロゾロ渡り始めると、青信号で進んでいる自動車が止まって事故にならないこともある。

大局的に今回の注目点は、中国のバブル経済が崩壊するかどうかにある。バブル経済謳歌した国、旧くは日本、そして米国、ともにバブル経済が崩壊した。崩壊しても、また立ち上がって現在を迎えている。
では、中国だけはバブル経済が崩壊することなく、この先も安泰でいられるのかどうか。過去の経験則に従えば、それはあり得ない。いずれハジけるという結果はわかっているが、現在はその後追いとなる理由、原因を探している途中にある。中国にはいろいろと赤信号が点滅しているが点灯はしていない、だから人はまだゾロゾロと渡っている状態、個人的にはそんな状態に観えます。