fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

USD/JPY 下落の推移

USD/JPYの下落を少しまとめてみました。

1ドル110円とか108円とか、キリのいいところで抵抗するようです。

ただ109円では、まったく抵抗なし。円売り筋は、110円を割ったら108円まで急降下するという意識が大半だったのでしょうか?

落ちるナイフを手で掴もうとする円売り筋。血が出た程度ならいいのですが、指を1本1本落としてしまった人もいるのでしょうか・・・。

 

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「売られて当然」の相場

Saikat Chatterjee氏

[ロンドン 31日 ロイター] - アルゴリズムを駆使した超高速のコンピューター取引は、為替や株式市場で「フラッシュ・クラッシュ(瞬間的な相場の急変動)」を引き起こす元凶と非難されることが多い。
だが実は、新型コロナウイルスなど世界的に衝撃的なイベントによる市場の動揺を、長引かせない役割も果たしているのかもしれない。
株式・債券・為替・商品いずれの市場も売り局面が短くなる傾向にある。例えば米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害し、イランが報復のミサイル攻撃に動いたケースは、いずれも市場に破局をもたらしてもおかしくない材料だった。
しかし、実際には年初だけ、暴力的だが予想外に短期間な反応を市場が見せたのみだった。
どちらの場合も円が反射的に買われ、株価は数時間下落したもののその後に最高値を更新。足元で新型ウイルスによる肺炎が経済成長を阻害する恐れが出てきているが、それでも株価は世界的に最高値圏からそう遠くない位置につけている。
こうした市場の底堅さが、多くの要因に支えられているのは確かだ。主要中央銀行が金融緩和に動いていることや、世界的な貯蓄の増加が過去10年で株価を25兆ドルも押し上げたことは言うまでもない。
アルゴリズム取引の増加も、その要因の1つとして関連づけられそうだ。グリニッチ・アソシエーツの調査によると、外国為替市場のおけるアルゴリズム取引のシェアは過去6年間で2倍以上に膨らみ、27%に達している。
アルゴリズム取引は、商いが薄い休日などに相場の不安定要因になりうる。
その反面、昼夜を問わず超高速かつ低コスト、正確無比に売買ができる利点も持つ。コンピューターが実行するため、人間に付きものの恐怖や欲望による衝動的な行動とも無縁だ。
アルゴリズム革命の先駆者的な金融機関の1つ、JPモルガンで電子商取引セールスを統括するスコット・ワッカー氏は、アルゴリズム取引は感情に流されないと指摘。「結果的に為替市場では、大きな地政学的ニュースにすら短期間しか反応せず、比較的速く安定を取り戻せる」と話す。
つまり、異例のイベントが発生した際、アルゴリズムはニュースを素早く精査して反応できるだけでなく、そうしたニュースが資産価格にどれだけ影響するかを推計することが可能になっている。最も高度なアルゴリズムなら、経験から学ぶよう「訓練」を受けて、次のショックに備えることができる。
アルゴリズムに詳しいある為替トレーダーは、株式市場でコンピューターが新型コロナウイルスのニュースをどう解釈するかについて、たとえば「500人の新規感染者10人の死亡」なら通常は買い、「3000人が新たに感染200人が死亡」なら売りと説明する。
大きなニュースの見出しが流れれば、コンピューターに主導された市場がすかさず反応するのがポイントだと、このトレーダーは話す。
半面、ボラティリティ上昇の引き金になってきたこれまでの教訓を踏まえ、コンピューターには市場の値動きが一定限度を超えれば取引をやめられる「ばね止め」の機能もあるという。

 

これはロイタ-通信1月31日付けの記事です。
もちろん、新型コロナウィルスについて少し騒がしくなってきている時ですが、世の中ではまだ甘く観られていた時です。
注目すべき点は、『新型コロナウイルスのニュースをどう解釈するかについて、たとえば「500人の新規感染者10人の死亡」なら通常は買い、「3000人が新たに感染200人が死亡」なら売り』ということ。
現時点で「3000人が新たに感染200人が死亡」なんかすでに超えている。ウィルス汚染拡大のスピ-ドは、恐ろしく速かったと言える。
結果論であるが、「買え」から「売れ」というコンピュ-タの指示で大きく売られて当然だったということになる。
では、コンピュ-タが再び「買え」と指示するのはいつか?新型コロナウィルスの汚染拡大が峠を過ぎた時期であろうか?個人的には、そうは思えない。すでに実体経済が相当なダメ-ジを負っているからです。発表される経済指標はどれもボロボロ。現在でも航空業界、施設・ホテル飲食業界などダメ-ジを受けているが、倒産する企業も出てくるでしょう。
それに、ウィルス汚染拡大のピ-クは過ぎたと報じられても、それで皆が一斉にウィルス汚染拡大前のように出かけ回るようになるのでしょうか?拡大のピ-クは過ぎたと言っても、発症者が世間でウヨウヨしているような状況では出かける気も起きないでしょう。この影響はかなり長引くと思えます。
この新型コロナウィルスでの気がかりな点は、発症者が妊婦の場合です。現在のところ、完治する人もいますし、致死率にしてもそれほど高くありません。しかし、発症者の妊婦が出産し、もし子どもが身体障害とか知的障害を持って生まれたとしたらどうでしょう?こんな報道が出たら、それこそパニックです。子孫繁栄に大きな障害を及ぼす危険なウィルスとして、世の中を震え上がらすことになります。
とにかく、このウィルスを甘く観ない方がいいでしょう。食べたものに毒性があるのなら、それを食べなければいいだけのこと。しかし、空気中に新型コロナウィルスがウヨウヨしているから、体内に入らないように呼吸をするなと言われてもそれはできません。
これから先、いったいどうなるのでしょうか。