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新型コロナウィルス「COVID-19」 感染拡大過程まとめ

新型コロナウィルスについて、少し時系列で振り返ってみましょう。

(1月23日)
中国湖北省武漢で、感染の拡大が最も深刻となった。
中国の保健当局の専門家チームの1人はテレビ番組で新型コロナウイルスの潜伏期間について「現在の症例からすると平均で7日前後、短いと2日~3日、長くて12日だ」と述べた。武漢の地元当局は感染の拡大を防ぐため、現地時間きょう午前10時から武漢を離れる航空便・鉄道の運行を当面停止すると発表し、市民に対して特別な用事がないかぎり、武漢を離れないよう求めた。

(1月24日)
中国の国家衛生健康委員会によると23日午前0時現在、25の省、区、市で確認された患者数は571人で重症は95人、死亡17人になった。

(1月25日)
中国では830人が感染し、41人が死亡。武漢市は街全体が封鎖され、上海市にあるディズニーランドも閉鎖した。封鎖された武漢市にはホンダ、日産、三菱UFJ、みずほ、イオン、三井物産 住友商事新日鉄住金日立製作所住友電装商船三井デンソーダイキン工業など周辺地域まで含めると約160社もの日本企業が進出し、拠点にしている。こうした企業は、新型コロナウイルス流行が長引けば長期休業を迫られることになる。特にその影響はサプライチェーンにも及び、経済的損失は計り知れないものになる。
こうした中、緊急事態宣言を出すものとみられていたWHO(世界保健機関)が、中国のとっている対策を評価し「公衆衛生上の緊急事態と認定するには時期尚早である」との理由で宣言を見送った。


(1月27日)
中国の保健当局はウイルスの感染力がやや強くなっているとみられるとし感染拡大のスピードは一層早くなっており患者数は今後も一定程度は増えるだろうと危機感を示した。

ウイルスの感染源は野生の動物である可能性を否定しなかった。それを理由に中国は全国の市場やスーパーマーケット、レストラン、オンラインプラットフォームでの野生動物の取引を禁止した。

(1月29日)
中国本土以外でのヒトからヒトへの感染は日本だけでなく、ほかの国や地域でも起きている。中国本土以外で確認された感染者の数はこれまでに17の国と地域で合わせて80人に上った。

(1月31日)
中国以外にも21の国と地域に広がった新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、WHO世界保健機関は感染がほかの国でも拡大する恐れがあるとして国際的に懸念される公衆衛生上の“緊急事態”を宣言した。
中国の保健当局は新型のコロナウイルスによる肺炎の患者の数が1月末現在、新たに2102人増えて1万1791人になったと発表し、患者の数は1万人を大幅に超えた。また死亡した人は46人増えて、合わせて259人となったと発表した。

(余談)
世界各国に1万人以上もの感染者を広げ、死者数も200人を超えた局面でのWHOの緊急事態宣言発令は世界の公衆衛生を指導する立場にある国際機関として遅すぎたと言わざるを得ない。WHO・テドロス事務局長の責任は非常に重い。
テドロス事務局長とは何者なのか?テドロス事務局長は2016年エチオピア外務大臣を担当し、中国・習近平国家主席王毅外相ともかなり親しいと言われている人物である。テドロス氏を中国系のマーガレットチャンの後任として事務局長の座に就けたのも中国の政治力が働いた結果だと言われている。このような国際的に重要なポジションにある人物が中国の都合のよい行動しか取らないという事態は世界にとっても恐るべきことである。
テドロス事務局長の出身国であるエチオピアには中国によってアフリカ連合の本部が設置されている。エチオピアはアフリカにおける「一帯一路」のモデル国であり、中国から1800億円もの投資と援助を受けているという。

(2月5日)
香港で1人が死亡した。中国本土以外で死者が出たのはフィリピンに次いで2人目である。
WHO世界保健機関の担当者は感染したケースの8割近くが中国の武漢にとどまっていることなどから世界的な大流行を意味する「パンデミック」にはあたらず、複数の地域でウイルスが流行している段階だという認識を示した。

(2月6日)
新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻な中国・湖北省の保健当局は、新たに70人が死亡したと発表。これで今回の感染に伴う中国本土の死者は560人になった。
日本では、神奈川県中井町のマスク工場は生産が急ピッチで進んでいる。寄せられる注文は普段の数十倍。最近は海外に輸出するという商社からも注文が相次ぎ、生産が2~3倍でも対応できない状態だという。
自動車メーカーのホンダが中国・武漢市にある工場の再開を延期する方針を固めるなど、日本企業の影響が広まっている。
トヨタは10日に営業再開を予定していたが、17日以降に工場の稼働の再延期を検討。

(2月11日)
中国の保健当局・国家衛生健康委員会は新型のコロナウイルスに感染して死亡した人が1016人になったと発表した。
死亡した人の数が1日で100人以上増えたのは初めてで、中国国内の死者は1000人を超えた。

(2月12日)
11日、WHO(世界保健機関)は新型コロナウイルスによる肺炎などの病状を「COVID-19」と名付けたことを発表した。
WHO・テドロス事務局長は「ワクチンの開発には18か月を要する」との見通しを明らかにした。

(2月17日)
全人代全国人民代表大会)の開催が見送られる。
全人代は毎年3月5日に開幕することが慣例で、延期されるのは、極めて異例な事となる。

(2月19日)
感染者が7万人余りとなった中国では、感染が確認された4万4千人のあまりの詳しいデータが公表され、詳細が初めて明らかになった。全体の致死率は2.3%だったが、80代以上では15%近くになることが分かった。

(2月25日)
新型コロナウイルスは世界の金融市場にも大きな影響を与え始めた。新型コロナウイルスが極めて深刻な事態を招くかもしれないことに世界中の投資家が恐れ始めた。
病気の感染だけでなく経済への影響が予想より広く大きく長く続くのではないかとの危機意識がある。

(2月26日)
25日のニューヨーク株式市場は新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から売り注文が広がり、ダウ平均株価の値下がり幅は一時900ドルを超え、前日に続いて大幅に値下がりした。
ダウ平均株価は前日に1000ドルを超える値下がりを記録しているが、依然新型コロナウイルスの感染拡大への懸念が根強く、25日も売り注文が増え、前日に続く大幅な値下がりとなっている。

(2月28日)
ニューヨーク株式市場ダウ平均株価は新型コロナウイルス感染拡大への懸念から1190ドルの値下がりとなった。
この日は米国でも感染経路が不明な患者が見つかったことから取引開始直後から大きく値下がりした。
ダウ平均の今週の値下がり率は11.5%になりリーマンショック以来の大幅値下げとなった。

(2月29日)
世界全体で感染が確認された国は50か国を超え、感染者数は8万3000人、死亡者は約2900人に達している。
そうした中、WHOは新型コロナウイルスに関する世界全体の危険度を発表し、その危険度を「高い」から「非常に高い」に引き上げた。「対岸の火事」とみていた米国だったが、感染者が59人に増えたことに加え、大統領選にも影響が出かねない株価急落を目の当たりにして慌てている。
急拡大する新型コロナウイルス渦は日本の政治や地方行政にも重大な影響を与えている。マスクだけではなく、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの買い占め騒ぎなども起きてきており、社会不安が高まってきている。

(3月3日)
新型コロナウイルスが経済に及ぼす影響を疑う人はいなくなった。OECDは今年の世界経済の成長予測を0.5ポイント下方修正し2.4%と発表した。
これは感染の現状は維持された場合。感染がさらに拡大しアジア太平洋地域や先進国で感染力が強まるなど今より状況が悪化すれば世界全体の成長率は1.5%、3か月前の予測値の2分の1に落ち込むとしている。