「大倒産時代」到来か
●雑誌「経済界」編集局長の関慎夫氏
新型コロナウイルスの国内感染拡大を受けて、日本政府は緊急対策として中小企業に向けた5000億円規模の資金繰り対策を検討し、日本政策金融公庫などに緊急貸し付けや保証枠を設けるなどの措置に出ているが、「それぐらいでは追いつかないのではないか」と関氏。「昨年の増税で個人消費は完全に冷え込んでいる。唯一といえる成長エンジンだった観光業が壊滅的な打撃を受けていると何もなくなる。日本経済に与える影響はリーマン・ショックよりも大きいのではないか」
関氏は「資金的に続かなくなっている飲食店や観光産業も多い。体力のない企業は淘汰され、倒産は3月ごろから急増するのではないか」とみる。
●神戸国際大学教授(産業論、中小企業論)の中村智彦氏
「特に外国人観光客需要に依存してきた小売、サービス業では稼ぎ時の旧正月の売り上げが激減している。3、4月の桜のシーズンに向けて投資してきた資金が回収できず、年度末に資金ショートを起こして倒産、破綻する中小企業が増加する可能性が高い」と指摘する。
長らく低水準が続いた企業倒産だが、「大倒産時代」がまた始まってしまうのか。