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ドルインデックスの15年サイクル

ドル/円とかの個別のレ-トではなく、すべての通貨に対してドルが強くなる、弱くなるというサイクルが15年周期であると言われています。
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去る2018年10月、ブルームバーグ記事。
『ドルは 2024 年までに40%下落、15 年サイクル踏まえ予想』
外為市場で 40年の経験を持つ AG ビセット・アソシエーツのウルフ・リンダール最高経営責任者(CEO)は、2024年までにドルがユーロに対し約 40%下落すると予想している。理由は単純だ。ドルは 1970年代以降、下落と上昇を15 年周期で繰り返しており、今やそれが再現されつつあるとみるからだ。リンダール氏の予想は突拍子もなく、理由付けも単純過ぎると受け取る向きもあるようだが、ドルは昨年 9%下落し、ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ氏も 9 月にドル急落を見通している。これらを考慮すると、まったく途方もない予想だとは言えなさそうだ。
米国と欧州の年金基金ファミリーオフィスの為替リスクをヘッジしているリンダール氏は 、「ドルの大幅な下落を見込んでいる。全ての金融市場に大きな影響が及ぶ」だろうとし、株式相場の急落と商品価格の上昇を引き起こす可能性があるとの見方を示した。景気循環など他のサイクルは認めているが、「投資家はドル相場の 15 年サイクルについて知らされると、まず懐疑的な反応を示し、存在を否定しようとする」と述べる。この思考法や株価調整の可能性を受け入れないとなると、ドル反転に適切なヘッジをしていない米国外の投資家にとっては「過去 45 年間で最も危険の高い投資環境だ」と指摘した。
同氏は昨年のドル下落はほんの始まりにすぎないと警告し、2024 年までに、対円では1ドル=75 円へと下げが進むと見通す。

まぁ、ドル/円のレ-ト予想はどうなるかわかりませんが、米ドルの強弱が15 年おきに天井を付けるとしたら、直近では2016年に高値を付け、現在は弱いドルへ向かっていることになります。
過去を補足すれば、まず高値を記録した1985年2月。それまで「強いドルは強い米国の象徴である」「強いドルは米国の国益にかなう」として強気姿勢を崩さなかったレーガン政権下で、前任リーガン氏から交代したばかりのベーカー財務長官がドル高阻止の米独協調介入を開始した時期。それが、9月のプラザ合意に至る、ドル高是正の歴史的な瞬間だったのは周知の通りです。
次に高値を付けたのは2001年5月。これは ITバブル、ドットコムバブルの崩壊を経て、FRBが1年間で 4.75%もの大幅緊急利下げを行った時期である。「米国一極集中」の反動が一気に表れました。
そして、直近の高値は2016年11月。米国経済は順調、金利は上昇ム-ド、トランプ氏が米大統領就任で、トランプ買い=米ドル買いの時期だった。それが、今後は、トランプ売り=米ドル売りに変わろうとしているのでしょうか。
ドルインデックスを観れば、ピ-クを付けて急下降しているわけではありません。過去、ピ-クを付けてから急下降していたのですが、今回は少し違います。いつ急降下を迎えるのか、ドル悲観派はその時を待ち望んでいるはずです。