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「外貨建て保険」に群がった結果・・・

サンケイ
銀行窓口などで販売される「外貨建て保険」をめぐり、2018年度の契約者からの苦情が前年度比34.6%増の2543件に上ることが12日、分かった。生命保険協会が近く公表する。直近6年で4.3倍増え、歯止めがきかない状態だ。商品開発を担う生保と販売を受託した銀行の間で責任の所在があいまいなだけでなく、手数料収入を得ようと繰り返される積極的な営業活動が低金利で抑制されにくいことが背景にありそうだ。
生保協が生保各社に実施した調査によると、18年度に受け付けた外貨建て保険への苦情は「元本割れの可能性を十分説明しなかった」などリスク開示が不十分というものが7割を占め、契約者の年齢は60歳以上のシニア層が大半だった。
各社が保有する外貨建て保険の契約件数は18年度までの6年で6.5倍増え、市場規模の拡大とともに苦情も増加している。
認知症を患う90代の姉が2000万円の豪ドル建て保険に加入し、180万円の損失が出た」。今年3月、80代の男性は国民生活センターにこう相談した。外貨建て保険は銀行の営業担当者が販売するため、預金と勘違いするなど契約者がリスクを認識せず購入するトラブルが多い。金融の知識や投資経験が乏しい高齢者がほとんどだ。

【用語解説】外貨建て保険
顧客から払い込まれた保険料を利回りの高い米ドルなどで運用する投資性の高い保険。終身保険個人年金保険などの種類がある。円建てよりも金利が高いことが魅力で販売が伸びている。円から外貨、外貨から円に両替する際に手数料がかかり、為替相場円高に進めば目減りするリスクがある。


生保各社は、契約者から預かった保険料を原資とする資産を金融商品で運用している。
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外債投資については、「金利・為替の水準次第」とする第一生命保険を除く9社が前年度末より残高を増やしています。要は、上記の通り、外国為替相場に無頓着な人たちから資金運用原資が集まったわけです。
生保各社、ユーロなどドル以外の外貨建て債券への分散投資も進めた。
日本の生保や機関投資家と呼ばれる筋の売買方針として、たとえばオープン外債(外債購入時に為替ヘッジをかけない外債投資)のためのドル買いは、為替リスクを考慮し、相場が下がったときに限り買うというスタンスです。
世界経済にまだ悲観を強めていない日本の機関投資家は、円売り外貨買いスタンスを変えているようには観えません。しばらく、そのような抵抗が観られるものと思われます。
日本人にとって、外貨はリスク以外の何ものでもない、その意識が根付くまで日本円もなかなか上昇できないでいるのでしょう。