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クレジット・サイクルも後退期へ

ブル-ムバ-グ
クレジット・サイクルが変わりジャンク債やレバレッジドローンが不良化すると、投資家には最大4800億ドル(約52兆円)の損失が生じる可能性がある。この損失額は少なくとも1987年以降のいかなる景気下降局面よりも大きいと、UBSのストラテジストが指摘した。
ストラテジストらによると、2020年1-3月までにリセッション(景気後退)に陥る確率は17%と比較的低い。だが、景気下降局面で社債やローンの損失がどれほど膨らむか、運用担当者は十分な注意を払っていない可能性があるという。生じ得る損失の規模を考慮すれば、ジャンク債ではなく投資適格級の債券が好まれるべきだと、マシュー・ミシュ氏が率いるストラテジストらは述べた。
UBSがローン格付けと失業データ、投機的格付け債券のスプレッドを分析したところによると、投機的な中でも低い格付けしか持たない発行体が増えており、景気下降局面に至るとレバレッジドローンのデフォルト率は過去最高の13.8%まで上昇する可能性がある。コベナンツ(財務制限条項)など契約上の保護が弱く、発行体のバランスシートに無形資産の比率が比較的高いなどの要素から、債券がデフォルトした場合に投資家は元本の比較的低い割合しか回収できないだろうという。
ミシュ氏らストラテジストは4日付のリポートで、「2008年以降に格付けの最も低い米レバレッジドローンが大きく広がったことは、ローンのデフォルト率が今後大幅に高まることを示唆する」と指摘した。


まぁ、当然想定されることですね。
記事冒頭に書かれているクレジット・サイクルですが、これについて補足して説明しておきますね。
クレジット・サイクルとは、クレジットの浮き沈みを回復・拡大・後退・修復に分け、これらが循環していることを表している。このブログでよくご紹介した景気循環サイクルと同じようなことです。
クレジットとは景気動向と置き換えてもいいと思います。なぜなら、経済活動の多くがクレジット(信用)による取引になっているからです。
回復期と拡大期は経済動向が上向いていく時期では、企業は需要拡大に伴い設備投資などを増やすため、金融機関や投資家などから借り入れを増やします。景気が良いため、家計も財布の紐を緩め、借金 (クレジットカード含む) をしても消費を増やす。
しかし、いつまでもクレジットを積み上げる (借金し続ける) ことができるわけではない。「借りたお金はいつか返さないといけない」のが経済の大原則。どこかでクレジットの積み上げが止まり、借金で消費をすることよりも、借金を返済すことを優先する時期が来ます。どういうわけか、必ずやってくるのです。
それが後退期にあたる。後退期は、金融機関などがリスクを回避するため、融資を減らし始める。金利を引き上げ、契約条件や与信基準を厳しくする。企業は資金不足に陥り、債務不履行や倒産などが起こり、景気全体が後退する。景気が悪化しているので、家計も財布の紐を閉めて、消費を抑える。
コストカットを進める企業や家計は、そのうちバランスシートが正常に戻り始める。これが修復期。場合によっては、中央銀行が大規模な金融緩和を実施し、そのバランスシート修正を後押しすることもある。正常に近い状態になると経済活動に対する意欲が戻ってくるため、成長や競争、拡大を再開する回復期に戻る。