fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

米国の1ドルショップも貿易戦争がリスク

フォ-ブスジャパン
米国では、余分なサービスを省いた「1ドルショップ」が好調だ。低所得層に限らず、お買い得商品を狙うその他の層の消費も引き付けているという点では少なくとも、その魅力を自ら証明している。
1ドルショップ・チェーン最大手のダラー・ゼネラルと、競合するダラー・ツリーの株価は5月30日、いずれも同日に発表した第1四半期の売上高が予想を超えたことで、大幅に値上がりした。
ダラー・ゼネラルの既存店売上高は29年にわたって伸び続けており、同期は前年比3.8%増となった。同社のトッド・ベイソス最高経営責任者(CEO)によれば、中心顧客層の来店回数と購入金額がどちらも増加している。また、顧客の大半を占める低所得層よりも、「もう少し多く稼いでいる」層の顧客が最も大幅に増えているという。
ダラー・ゼネラルの店舗数は5月3日現在、1万5600店近くに上っている。年内に新たに975店舗を開業するほか、1100店舗を改装・移転する計画だ。ベイソスCEOは決算発表で、自社の市場シェアがさらに拡大していることを示す調査結果があることも紹介した。
1ドルショップの魅力が高まる理由の一つには、各社がより多くの消費者を呼び込むため、生鮮食品や冷凍食品の取り扱いを増やすなど、コンビニエンスストアと同様の商品展開への切り替えに力を入れていることがある。
また、ダラー・ゼネラルとダラー・ツリーはいずれもパーティー用の商品など、客足に左右されやすい生活必需品よりも収益性の高い「非消費財」の品ぞろえを拡大させている。
また、今年4月、国際送金サービス事業者のウエスタンユニオンとの提携を発表。大半の店舗で送金サービスを利用できるようにした。これもまた、客足を伸ばすための試みだ。
ダラー・ツリーは、約7100店あるファミリー・ダラーの店舗のうち、およそ1000店でアルコール飲料の取り扱いを開始する計画だ。販売する商品の全てが1ドルではなくなることが、一部の顧客を遠ざける危険性もある。だが、1ドルショップ・チェーンがさまざまなコスト圧力を受けていることを考えれば、必要な方針転換だといえるのかもしれない。
両社によれば、燃料価格の上昇は輸送コストの増加を招いている。また、いずれも米中貿易戦争がさらに激しさを増せば、商品価格を値上げすることになる可能性がある。その他の小売業者と同様、両社は中国以外からの調達を増やすなど、影響の緩和に努めている。だが、両社が取り扱う商品のうち輸入品は「かなりの量」を中国製に頼っており、貿易戦争はリスク要因だ。