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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

逆イ-ルドは上昇相場の転換点 過去の経験則

米国債利回り  フラッシュクラッシュ1月3日朝と現在6月7日との比較
                      1月3日     6月7日    対比
アメリカ 1ヶ月  2.412%   2.315%   0.097%▼
アメリカ 3ヶ月  2.428%   2.313%   0.115%▼
アメリカ 6ヶ月  2.513%   2.212%   0.301%▼ 
アメリカ  1年  2.602%   2.043%   0.559%▼
アメリカ  2年  2.478%   1.883%   0.595%▼
アメリカ  3年  2.442%   1.848%   0.594%▼
アメリカ  5年  2.468%   1.889%   0.579%▼
アメリカ  7年  2.532%   2.009%   0.523%▼
アメリカ 10年  2.633%   2.128%   0.505%▼

年初1月3日の金融動揺時に比べても、かなり長期金利低下が観られ、長短金利の逆イ-ルドが確認できます。
世界の上昇相場の転換点は、過去40年間に4回ありました。
1980年、1990年、2000年、2007年で、これらに共通する要因は、米国金利の逆イールドカーブであり、その原因は連邦準備理事会(FRB)の利上げによるものでした。
米国では中央銀行の政策目標はインフレ率と雇用の安定ですが、これらは景気に遅行して動くため、金融政策の対応も遅れがちになります。好景気時の金融引き締めを過度にした結果、逆イールドカーブが起こったというのが過去の経験則です。
いったん、世界の上昇相場が転換してしまったら、その先に短期金利の引き下げで逆イ-ルドを修正しようとしても修復不能でした。
今、米国が利下げを視野に入れていますが、それを「予防的利下げ」とか称しているのは大きな間違いです。フラッシュクラッシュ時のように、短期金利長期金利と逆転しそうだから短期金利を引き下げる、それが「予防的利下げ」です。これからの利下げは「予防」ではなく「事後」の利下げです。「事後」の利下げでは、もはや実体経済の修復も不可能です。「事後」利下げはあくまでモルヒネのような鎮痛剤に過ぎません。痛みをごまかすだけで、病を治せる、修復させるものではありません。
FRBは浮かれ過ぎた、米国経済に過信しすぎた、それが過去40年間に4回観られた上昇相場の転換点であり、経験則でもあります。