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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

GBP/USD 相場予想記事から

ハーバービジネスオンライン

ロンドン在住為替ディーラーの松崎美子氏が解説する。

英ポンドは「離脱合意」なら長期で上昇も、「合意なき離脱」ならば10~15%の下落は必至。
「’19年1月21日が非常に重要。ここまでに離脱案に関して英国議会の承認を得てEUと正式合意しなければならない。もしもできなかったら、合意なき離脱の可能性が高まる」
合意のアリナシが、その後の英ポンド相場を大きく左右する。

《予想されるBrexitのパターン》
●ソフトBrexit
EUと大筋合意。アイルランド国境問題が解決されるまで欧州関税同盟には残るかたち。EU法に縛られるが、正式離脱後には単一市場から抜けるため、人の移動に制限がかけられる見通し。ただ、離脱の時期が明記されておらず、国内で反発が
●合意なきBrexit
離脱移行期間なしで’19年3月29日に離脱。英領北アイルランドアイルランドとの間には検閲所が復活するなど国境問題が顕在化。移民制限は可能だが、物流がストップするなど経済的ダメージが大きい
●白紙撤回
限りなく可能性は低いが、再度、国民投票にかけてBrexit交渉そのものを白紙撤回するパターンもあると言われている

仮に「合意なき離脱」で決着したら経済的ダメージは計り知れない。
「実は、合意なしの可能性を念頭に英国民と企業はすでに備蓄を進めています。特に品薄になっているのは薬。強硬離脱すれば、その日から関税が発生して税関が混乱するのは必至。イギリスの航空会社はEU域内の乗り入れができなくなるので、物流網は大混乱するのです。おそらく、’19年3月にかけて備蓄目的の駆け込み消費が発生するので、4―6月期からイギリスの景気は急激に冷え込んでいくことでしょう」

’19年のポンド相場の予想は?「合意なしならば10~15%は急落するというのがコンセンサス。イギリス系の金融機関は英ポンド/米ドルで1.20までの急落もありえると予想しています。ただ、経済的ダメージの大きさを考えると最終的には合意に達すると予想している専門家が多い。そもそもポンドは明らかに売られすぎなんです。当然、合意に達したときのインパクトは大きい。アメリカに次いで利上げに転じた国であることを考えれば、金利上昇圧力もあって’18年4月の高値である1.43までは一気に回復する可能性が高い」
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松崎氏は合意なき離脱で決着すれば最大15%の下落もあり得ると予想するが、最終的に合意に達するという見方。その場合は、利上げ圧力の高まりもあって英ポンド買いが急激に進むと予想している。

【松崎美子氏】
ロンドン在住為替ディーラー。スイス系銀行を経て、ロンドン・シティのバークレイズ銀行のディーラーとして活躍。現在は「FXの流儀」として有料サロンも運営。