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投資家から「安全資産」を奪い取ったECB、そして日銀

ロイター
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁は、ECBは次の危機に対応する余地を確保し、市場が正常に機能するよう金融政策を危機前の状態に戻すべきと主張した。
ECBは2015年以降、インフレ回復に向け、ユーロ圏の金融システムに2兆6000億ユーロ(2兆9500億ドル)を注入してきた。ECBは年内に量的緩和を終了し、19年後半に8年ぶりの利上げを想定している。
イトマン総裁は、大規模な政府債買い入れは投資家から「安全資産」を奪い、銀行同士が資金を貸し借りするインセンティブを失わせたと指摘。
「主要な責務の効果的達成を可能にすると同時に市場が十分機能する余地を与える金融政策の枠組みが最も望ましい」とし「危機前の枠組みに戻ることが金融政策の有効性を大幅に制限することが証明されるまで、危機前の枠組みから離れる理由は見当たらない」と付け加えた。


ごもっとも。我が国の日本銀行の黒田さんにも同じことを言ってもらいたい。
日銀が日本国債を買い占めてしまったため、リスク回避時にGPIFや銀行・生保・ファンドなど機関投資家が現在保有の外債・外国株を売り払い、安全資産である日本国債へ資金シフトしようにも、外国人投資家の逃避行動も合わさって日本国債が足りない。国債すべて売り切れ、ソ-ルドアウトになる。「レパトリの円資金は現金のままで保有してろ!」、そう言いたいのでしょうかね?

さて、日銀の研究機関である金融研究所の客員研究員が書いた、日銀のマイナス金利見直しについての論文が話題になっている。

毎日新聞
日銀の付属研究機関に外部から寄稿された論文がマイナス金利政策に否定的な内容だったことが、話題を呼んでいる。金融市場の一部では「マイナス金利解除の布石では」との見方も出ており、日銀は打ち消しに躍起になっている。
論文は11月5日に日銀の研究機関である金融研究所から発表された。客員研究員を務めた早稲田大の小枝淳子准教授が金融緩和政策の効果について英語で執筆。日銀が2016年に導入したマイナス金利を撤廃して短期金利を多少引き上げても、物価上昇などの緩和効果は継続すると分析している。
日銀は2%の物価上昇率目標を掲げ金融緩和を続けているが、達成時期は見通せていない。一方、超低金利で金融機関の収益が悪化し、日銀の政策委員会内でも「金融機能が停滞するリスクがある」といった懸念が高まりつつある。論文について市場では「(政策変更など)何らかのメッセージが込められているとの見方が専ら」(野村証券の美和卓チーフエコノミスト)という。
20日の衆院財務金融委員会では、今井雅人議員(立憲民主)が黒田東彦日銀総裁に論文に対する見解を質問。黒田総裁は「日銀の公式見解ではない。いろいろな分析が行われること自体は歓迎すべきだが、マイナス金利は現時点で大幅な金融緩和の一環として必要」と強調した。
原油価格下落など物価を下押しするリスクが高まり、金融緩和の出口は見通しにくくなっており、日銀が発する情報への関心は高まる一方だ。