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不動産バブルもいよいよ『終わりの始まり』か

ロイター
国際通貨基金IMF)は、新型コロナウイルスの流行によって世界的な金融システムの「亀裂」が露呈し、銀行は貸し倒れによる損失と市場での損失の双方を被る可能性があると警告した。
IMFは国際金融安定性報告書で「新型コロナ危機は世界的な金融システムの安定性に対し非常に深刻な脅威をもたらす」と指摘。トビアス・エイドリアン金融資本市場局長は「今は非常に不利な経済シナリオにある。銀行および銀行システムの大半は安定が見込まれるものの、一部ではさらなる困難を伴うかもしれない」と述べた。
また、銀行の資産ポートフォリオは安全資産の価値上昇が一部寄与するが、リスク資産価格の下落によって損失が発生すると想定。事業主による家賃の支払いが難しくなっているため、米国の商業用不動産を巡る緊張が高まっており、不動産セクターへの融資が70%を占める銀行を圧迫する可能性があるとした。
さらに、原油価格の下落がエネルギー企業向け融資の貸し倒れにつながる可能性が高いとしたほか、新型コロナの影響を受けた家計への貸し付けも焦げ付く恐れがあると言及。「経済活動の急停止が長期化すればするほど、銀行が貸倒損失を被る可能性が高まる」とした。


世間一般では、バブル経済の象徴として株価上昇を挙げる。それは間違いではないが、それだけでは不十分。不動産価格の上昇と相まってバブル経済と呼ぶのが正しい。
記事に「米国の商業用不動産を巡る緊張」とあるが、私fxdondonもそう睨んでいます。
最近になって株価が急落しようと、米商業用不動産価格は超高値を維持していたが、ようやく価格下落が確認できるようになった。
米国の調査会社グリーンストリートアドバイザーズがレバレッジのない商業用不動産の価値を指数化した米国商業用不動産価格指数(CPPI)というのがある。米国商業用不動産価格指数(CPPI)は、不動産の売買交渉から契約段階における売買が反映される指数となっており、即時性が高いことが特徴の指数です。

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この図は、前回の世界金融バブル期につけた2007年の商業用不動産価格を100として、これまでどう推移してきたかを示しています。つい先頃に135という高水準に達し、現在は133に落ちてきました。言い換えれば、2007年に1億ドルだった不動産価格が、2020年初頭に1億3500万ドルの最高値をつけ、現在は1億3300万ドルになっているということです。
この価格下落を、不動産バブルの『終わりの始まり』と観るか、想定内の価格調整と観るかは人によって違うでしょう。
しかし、昨今の雇用破壊や企業経営難を観ると、これから不動産取引が活発化する理由は見当たりません。一等地に自己所有の不動産がある企業は、資金繰り悪化の対応として不動産売却を選択するでしょう。

不動産バブルの崩壊、それにも目を向けておくことが必要です。