fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

米国が戦争に巻き込まれるリスク

12月19日付『ニューズウィーク』誌:「2020年は米国が戦争に巻き込まれるリスクが最大となるとの予測レポート」
外交問題評議会傘下の予防行動センターが12月19日、「2019年防止優先順位調査」報告書をリリースした。
それによると、米国は2020年に、主として世界の3ヵ所で戦争に巻き込まれるリスクが直近で最大級となっているという。
外交政策に関わる専門家500人の評価をまとめたもので、中東における核開発問題で対イラン、東アジアにおける非核化交渉決裂で対北朝鮮、そして南シナ海の領有権問題で対中国における戦争リスクが最も高いとする。
同センターのポール・スターレス理事及びジョン・ベッセイJr.上級研究員は同報告書の中で、研究・分析対象となった30の対立問題のうち、リスクが非常に低いとの評価となったのは僅か2件のみだったと結んでいる。
この背景には、ドナルド・トランプ大統領が執ってきた、イラン、北朝鮮またベネズエラ等への“最大級の圧力”政策に伴う対立激化があるとする。
更に、前述した3ヵ所での最大級のリスクに加えて、軍事力が激しく増強されてきているロシア及び中国との対立も懸念されるという。
中国について言えば、2020年に行われる台湾総統選挙に関わる中国圧力問題、そしてロシアは、東欧での軍事的圧力に伴う北大西洋条約機構NATO)との対立問題が挙げられる。
また、これらよりリスクが少々低いと評価されるものの、メキシコでの組織犯罪の激化、 ベネズエラにおける政治・経済の不安定化、シリア問題に関わるトルコとクルド人勢力間の衝突、アフガニスタンにおけるイスラム原理主義組織タリバンの勢力増大等が挙げられ、これらに米国が巻き込まれるリスクは高いとしている。
一方、以上より更にリスクが低いとはいえ、次の国々での問題に米国が巻き込まれるリスクも考えられるとする。
・インド対パキスタンカシミール地方における領土問題
イスラエル対イラン支援のイスラム武装組織:レバノンを拠点とするヒズボラ等との対立
・中東イエメンの内戦:イスラムシーア派武装組織フーシ派と政府軍対立激化
・中米ハイチの政治的混乱:大規模災害と復興の遅れに伴う不安定化
(注)外交問題評議会1921年設立の世界情勢を分析・研究する非営利団体。米シンクタンクを含む超党派組織で、米国の対外交政策決定に対して著しい影響力を持つとされる。