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米双子の赤字の拡大局面は短時間でUSD安へ

CME Group
Erik Norland氏 CMEグループのエグゼクティブディレクター兼シニアエコノミスト
8年にわたり米ドル(USD)は上昇トレンドにあった。ほとんどの通貨に対して大幅に上げた。その要因として次の3つが挙げられる。
●2010年から2016年にかけて米国政府の財政状況が改善した
●2016年以降、米国で相当な金融引き締め策が実施された
●特に2011~13年、また2017年以降、米国は日欧よりも力強く成長した
しかし、ひとつ目のUSD強気要因は2007年に消えている。2016年に国内総生産GDP)の2.2%だった米国の財政赤字が2019年半ばには4.7%に拡大した。しかも、最近の保護主義的な措置にもかかわらず、米国の貿易赤字GDPの2.5%から3.0%に拡大した。いわゆる「双子の赤字」はGDPの4.7%から7.7%になったのだ。
過去30年をみると、通常は双子の赤字が縮小してから得てして1~2年遅れでUSD高が続いている。一方、赤字が拡大すると、得てしてかなり短い時間差で大幅なUSD安が続くことが多い。
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金利で相場を語る人がほとんどの中、財政赤字とドルの関連性で相場を説明する記事は少ない。その点では、ドル相場の本質がわかっているものと認めます。
ただし、誤解を与えないように、ドルの対円相場が最も影響すると説明することも必要でしょう。