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南アフリカとドイツの2ヶ国は要注意

現在、米国や中国、英国など注目すべき国は多いが、その中でも南アフリカとドイツの2ヶ国は要注意である。
南アフリカについては、過去にいろいろ触れてきたので察しがつくであろうが、最悪デフォルト危機へ追いこまれる可能性がある。
そして、ドイツは再び起こる欧州債務危機の主役国になる可能性がある。
先日、日経新聞一面で、「ゾンビ企業倍増、世界で5300社」という記事が載った。
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(記事から)
借金の利払いを利益で賄えていない「ゾンビ企業」が増えている。2018年度は世界で約5300社と10年前の2倍超に膨らんだ。金融緩和の影響で収益力や財務が弱い企業でも負債に頼って「延命」できてしまうためだ。米連邦準備理事会(FRB)が10年半ぶりに利下げし、世界の中央銀行は緩和強化で追随し始めた。ゾンビ企業は今後さらに増殖し、市場混乱などのショックが加われば破綻が相次ぐ恐れがある。

実は、意外にも欧州にゾンビ企業が多いことがわかる。ただこれは、今現在確認できているゾンビ企業数であって、その予備軍は含まれていない。負の連鎖というのは止めようがないことは、前回の世界金融危機でご存知であろう。
しかし、今回の場合は、前回の危機とは順序が異なるものと思われます。ざっくり、金融危機が起きてから実体経済危機へと連鎖したのが前回であったが、今回はその逆で、実体経済危機が起きてから、銀行の不良債権問題やジャンク債等の金融危機へと連鎖しそうである。
そして、ドイツのさらなる不運は、前々から騒がれているドイツ銀行の他、今現在ですら危ういコメルツ銀行を抱える。ドイツには、金融不安の問題も抱えている。
12日のフランクフルト株式市場で、ドイツの大手銀行のコメルツ銀の株価は過去最低を更新した。貿易戦争の影響がドイツ経済を圧迫しているほか、ドイツ銀行との合併協議が破談した後、オランダのINGグループやイタリアのウニクレディトなどの関心が伝えられることはあっても、実際に交渉に入る候補企業が現れなかった。要は、見捨てられた銀行になっているわけです。
これから、多くのドイツ企業が業績不振で経営危機に陥れば、融資している銀行は多額の不良債権を抱えることになる。
前回の欧州債務危機の主役はギリシャ、イタリアあたりであったが、今回は欧州の中枢ドイツが主役になる可能性がある。
南アフリカとドイツ、この2ヶ国の共通点は「中国依存症」という難病に冒されていることです。残念ながら、体力のない南アフリカはご臨終(デフォルト)、ドイツはかつて経験したことがないような危機的症状を発症する可能性がある。