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G20 財務相・中央銀行総裁会議の共同声明

G20財務相中央銀行総裁会議の共同声明では、米中の貿易摩擦が世界経済のリスクになっていると指摘したうえで、G20各国が「リスクに対処し続け、さらなる行動をとる用意がある」と明記しました。
声明では、世界経済について、今年後半から来年に向けて緩やかに上向く見通しだとした一方で、下振れするリスクがあると指摘し、貿易摩擦の激化で地政学的な緊張も増しているとしています。
また、貿易摩擦の背景にある経常収支の不均衡(グローバルインバランス)の是正に向けて、貿易だけでなくサービスや資本のやり取りなど、全体を見る必要があると指摘しています。そして、不均衡を是正するため、各国の実情に即して経済政策と構造改革を行うことが必要だとしています。
さらに声明では、インフラ開発で中国から巨額の融資を受けた新興国が返済に行き詰まるケースが相次いでいることを念頭に、貸し手と借り手の双方が債務の透明性を確保し、持続可能な成長と開発を達成できるよう協力することが重要だと指摘しました。
中国の劉財政相は「足元の世界経済は不確実な要素が多く、貿易の保護主義によって重大な挑戦にさらされている。各国は共同で、ルールに基づく多角的な貿易体制を守っていかなければならない。特定の国に対して保護主義的な措置をとっても、グローバルな不均衡の解決にはなんの役にも立たない。それだけでなく世界経済の成長にも損害を与えかねない」と述べ、米国を念頭に2国間の貿易問題を関税の引き上げなどで解決しようとする姿勢を強く批判しました。
フランスのルメール経済相は会見で、米中の貿易をめぐる対立について「われわれは米国と中国の貿易戦争を非常に懸念していて、対立を解消するよう求めた。欧州をはじめ、世界経済に悪影響があるからだ。米中の交渉が合意に達することを望んでいる」と述べ、世界経済の成長には米中の貿易摩擦の解消が欠かせないという考えを強調しました。