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fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

中国  対米報復は自らの首を絞める

米国が中国からの2000億ドルの輸入品の関税を引き上げたことを受けて、中国も報復のため関税を引き上げると発表しました。来月1日に米国からの600億ドルの輸入品に最大25%の関税を上乗せし、米国の圧力には屈しないという立場を鮮明にしました。
今回の措置について中国政府は「米国の単独主義、貿易保護主義に対する回答だ」としたうえで「米国が貿易交渉の正しい軌道に戻り、互いに利益を得られるような合意を達成することを望んでいる」としています。
中国は先週の米国との閣僚交渉が物別れに終わったあと、「重大な原則的な問題では中国は絶対に譲歩しない」という立場を鮮明にして米国の圧力に屈しない姿勢を強調しています。
一方、米国はトランプ大統領の指示を受けて、新たにおよそ3000億ドル分の中国製の輸入品に関税を上乗せする手続きを始めました。

中国、トランプ氏と闘う武器は米国債保有と元相場?

ブルームバーグ
中国は米国との貿易戦争で金融市場を標的とする武器を持っている。 大量の米国債保有為替相場だ。ただ、こうした武力に訴えれば、代償も大きそうだ。
トランプ米大統領が中国製品の関税を引き上げれば報復すると中国は表明している。しかし、関税に対して関税で対抗するのは中国が採りそうな戦略ではないと、米外交問題評議会(CFR)のブラッド・セッツァー上級研究員(国際経済)は話す。
「米国の関税に対して中国が同額の米製品に関税をかければ、その中には中国の輸出品の一部になる製品も混じるだろう」と同研究員は指摘。関税による報復は「多くの場合中国を直接傷付けるだろう」と述べる。
トランプ大統領は金融市場に気にかけている。これに注目して中国は次のような武器を使うことができる。

人民元切り下げ
中国当局は、自国経済に対する米関税の影響を相殺するために人民元を切り下げることが可能だ。2018年のオフショア人民元はドルに対して5.5%下落し、トランプ大統領をいら立たせた。中国が意図的に通貨を弱くしたとの臆測も浮上した。
ただ、15年に人民元を事実上切り下げた際に資本流出に見舞われた経験が、当局をためらわせるだろうと、UBSグループの中国担当チーフエコノミストの汪涛氏は言う。

米国債売り
中国は1兆1000億ドル相当の米国債保有しており、保有高は外国勢の中で最大。この保有を減らすことは強力な武器になる公算だ。昨年は、中国当局米国債買いを減速または停止することを促しているとの報道が債券市場を動揺させた。
しかしこれについても、 コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのストラテジスト、エド・アルハッサイニー氏は、中国が米国債を売って「米国債利回りが急上昇すると、残りの保有米国債の価値が下がるほか、ドルの急騰を招く恐れがある。「財政と為替安定性へのリスクは、この戦略の恩恵を上回る公算だ」と指摘している。

まぁ、中国保有の米国債人民元は武器なるどころか、アキレス腱でしょう。
中国の米国債保有も、米国が中国にお願いしているわけでもなく、最も流動性の高い資産として中国が自ら保有しているに過ぎない。
もし中国が米国債を手放し、米国長期金利が上昇せれば、買い手にはまだまだ困らない。
逆に、中国としたら米国債保有しているという「信用」を失います。「信用」なき中国に何ら魅力もなく、逆に偽札が横行している人民元など、リスクそのものになるでしょう。

米国と中国は、もはや「戦争」しています。米国の武器は、ロケットや大砲、核兵器ではなく、米国の「強大な経済力」こそが最大の武器。
今、中国を叩いておかないと世界に不幸が及ぶ、そのトランプさんの考えを私fxdondonも支持します。