fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

日本の家計資産、順調に拡大

共同通信社
内閣府が28日発表した国民経済計算によると、一般家庭や自営業などを合わせた家計の資産残高は2017年末時点で前年比3.7%増の2976兆6千億円と、6年連続で増加した。株価や土地価格の上昇が押し上げ、現行基準の1994年以降で過去最高を記録。
土地・漁場と固定資産・在庫を合わせた非金融資産は1.5%増で、金融資産は5.1%増だった。資産から負債を差し引いた正味資産は4.0%増の2662兆5千億円となり、6年連続で増えた。
家計に政府や法人、金融機関などを加えた国全体の資産から負債を差し引いた「国富」は、1.5%増の3383兆7000億円と2年連続で増加した。

まぁ、喜ばしいことです。
では、直近。
2018年12月21日に日本銀行が公表した「資金循環統計(速報)」によれば、昨年9月末の家計の金融資産は1859兆円でした。前年2017年9月末の1820兆円と比較して、金額で39兆円、増加率は2.2%となりました。
企業の金融資産残高も2017年9月末より6.3%増加して1120兆円となり、やはり過去最高を更新しています。家計、企業ともに株式の時価評価額が上昇したことがその要因で、日経平均株価が年初来高値を付けたのが2018年10月2日ですから、金融資産残高が過去最高を更新したのもうなずける。
ただ、日経平均株価は高値を付けた後、大幅に下落していることから、2018年12月末の金融資産残高は、家計、企業ともに減少していると考えられます。今後も含めて考えると、株式はキャッシュに替えて金融資産残高を減らさないようにしてもらいたいところです。
投資主体別売買動向などのデータでは、個人投資家は株式を売り越しているのですが、時価評価の上昇が高い増加率となったようで、資産全体に株式等が占める割合は11.2%、金額で209兆円です。
一方、投資信託の増加率は2017年9月末比0.8%と、3期連続して1%未満と低い。資産全体に投資信託が占める割合は4.0%、金額で74兆円です。株式と合わせてもその割合は15.2%、金額で283兆円ですから、「貯蓄から投資(資産形成)へ」という悪魔の囁きに日本国民は踊らされていないという健全性は頼もしい限りです。「投資」をするな、ということではなく、景気サイクルから「投資」のタイミングを図れということです。もはや、これから「投資」ではなく「貯蓄」で資産を守れということです。
現金・預金の増加率は2017年9月末比2.2%に過ぎませんが、その残高は毎期過去最高額を更新している。現金・預金が資産全体に占める割合は52.1%、金額では968兆円となり、徐々に1000兆円という残高が視野に入りつつあります。
一方、債務証券(債券)は、唯一残高を減少させている金融資産です。2017年9月末比0.2%減とほぼ横ばいと言えるが、長期金利が低下していることでなかなか運用残高が伸ばせないようです。個人向け国債10年ものの昨年12月募集では最低保証金利の0.05%に低下してしまいましたので、それなら銀行預金でいいやという判断なのでしょうか。究極は、銀行は潰れるかも知れないが、国は潰れない、そこまでの危機的状況に追い込まれない限り、個人は見向きはしないでしょうね。
現金・預金と同じく手堅く残高を増やしているのは、「保険・年金・定額保証」です。増加率は2017年9月末比0.6%に留まっていますが、保険だけに限ると同1.0%になります。予定利率が引き下げられたとはいえ、保険を活用している人は依然として多いことがうかがえます。保険が資産全体に占める割合は20%、金額で372兆円になります。「保険・年金・定額保証」の割合では、28.2%、金額で525兆円にのぼります。

日本では総人口では減少している。つまり、人口減=資産減ではない。日本の場合、人口減=資産増ということになっています。
しかし、日本政府の財政累積赤字という借金が増えているじゃないか、ということがよく言われる。国の借金=国民の借金、というような誤解です。
11月10日に財務省から発表された「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」が、9月末時点で1062兆5745億円となった。国民一人当たり「約837万円」になると報道される。
これをよく、「国の借金」とか呼びます。それがそもそもの間違い。それは「国」の借金ではなく「政府」の借金であって、「国民」の借金ではない。
日本国民の多くの人は、政府の借金=国民の借金、と捉えています。そう言い聞かされていると言ってもいいでしょう。ソ連、ロシア、トルコ、アルゼンチン、過去の政府のデフォルトで、国民の貯蓄・資産を没収するなんてことがありましたか?国民が全員餓死するような事態になりましたか?政府はリセットされても、国民は生き延びていますよね?
もし、政府の借金=国民の借金、というような誤解を持っている人のために、簡単に書いておきます。詳しくは、ご自身でお調べ下さい。
政府のバランスシ-トでは、「国債」は資産勘定です。そもそもこの認識がない人が多過ぎます。政府の負債は「日銀当座預金」です。政府は日銀に対しては債務を負っていますが、国民に対しては債務は負ってませんし、国民が政府の債務を肩代わりする必要もありません。「国債」というのは世の中で流通できる媒体(おカネ、日本銀行券など)に替えて初めて債務が成立します。
普段、我々が手にするおカネ、それは日本銀行券です。日本政府券ではありません。硬貨は政府貨幣ですが、補助貨幣ですので影響は無いに等しい。
そして、次に誤解されていることは、我々の預貯金で民間銀行は国債を購入している、国債を引き受けているという誤解です。
民間銀行も「日銀当座預金」のおカネを国債に替えているだけで、我々の預貯金を原資にして国債を買っているわけではありません。預貯金が増えたので国債を買い増ししたということはあるでしょうが、我々の預貯金が減ったから日本国債が暴落するなんていうデマは失笑ものです。
理屈では、日本政府は無限大に国債を発行することができ、日本銀行券に替えることができます。その意味で、日本政府が債務不履行(デフォルト)することはありません。
しかし、肝心なのはインフレです。通貨価値の減価、物価の上昇が国債発行の限度を表します。国債発行の上限は、その金額的な規模ではなく、インフレによって決まります。

話を戻しますが、日本は人口減の中にあって、生まれて来る子供たちにより多くの資産を譲り渡すことができています。日本の将来を担う子孫に、「負の遺産」ではなく「正の遺産」を残していきたいものですね。
頑張れ、ニッポン!、そして、頑張ろう、ニッポン!