fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

「ゾンビ企業」破たんの足音

ロイタ-コラム
何とか生きながらえる「ゾンビ企業」が増加の一途をたどっている。国際決済銀行(BIS)の9月のリポート「The rise of zombie firms(増加するゾンビ企業)」によれば、データが入手可能な14カ国の上場企業の12%が、今やゾンビ企業となっている。
BISが定義するゾンビは、過去3年間、利払いが利益で賄えない状態に陥っている企業である。この低金利環境ですら負担に耐えられないようでは、金利の上昇時にはひとたまりもない。こうした破たん予備軍の比率は現在、過去30年余りで最悪である。
金融危機が起きた08年ごろに、BISがゾンビと認定した企業の比率は8%程度だった。一方、S&Pグローバル・レーティングによると、当時の社債デフォルト率は4.24%だった。ゾンビ比率が12%まで上昇している今、急速な景気後退に見舞われた場合、08年の悪夢を超えるショックが訪れる可能性も否定できない。
レバレッジドローン市場の規模は現在、米国だけで1.1兆ドル(120兆円)に上る。この6年で2倍に膨れ上がった。この流れは債券の世界でも加速しており、今年発行された債券の7割以上が格付BB以下のハイイールド債となっている。英中銀のカーニー総裁は10月の講演で、「レバレッジドローンの成長ぶりは金融危機前のサブプライムローンを彷彿とさせる」と発言している。
社債市場は軟化し始めると、株式市場以上に怖い面がある。格付け条項というトリガーが極めて似通っているため、格下げされると投資家が一斉に売り始めるという特徴がある。投資家が強制的に売却を迫られる格付けは、BBBネガティブかBBBマイナス辺りに集中している。
どのような危機も、市場参加者の不安心理なしには発生しない。「危機は気から」である。市場関係者のマインドが危機を意識し始めている今、そろそろシートベルトを締めておくのに越したことはないだろう。

まぁ、「ゾンビ企業」はバブル経済の度合いを示すひとつの指標と観ていいでしょう。

OECDが21日に公表した世界経済見通しによると、米中の貿易摩擦の影響で世界の貿易はすでに減速し始めているとしていて、互いの輸入品への関税をさらに引き上げれば、世界経済の成長に悪影響を及ぼすと強い懸念を示しています。
世界経済の実質の成長率について、今年3.7%、来年3.5%と成長が鈍化すると予測し、「世界経済の拡大はピークを越えた」という見方を示しました。
OECDのチーフエコノミストは、「世界経済の先行きが不透明であることから、リスク資産を一定の水準まで圧縮する動きが広がることは不思議ではない」と指摘している。
 
世界経済を動かす大きな歯車である米国と中国。その歯車がうまく噛み合わず偏摩耗を起こしている状況にある。