fxdondon’s blog

fxdondon presents 世界の政治・経済・財政を考察し、外国為替相場を読み解きましょう

過去の教え、経験則

トルコでは、エルドアン氏が演説で「自分が生きている限り、金利の罠には落ちない」との表現で、トルコ中央銀行による政策金利引き上げを阻む考えを示した。発言を受け、リラは12日深夜(日本時間13日早朝)の海外市場で一時1ドル=7.2リラ台となり、最安値を更新した。
トルコ中銀は景気を冷やす金融引き締めを嫌うエルドアン氏の圧力下にある。リラ安の影響でインフレ率が16%近くに達しており、市場関係者はそろって現在17.75%の政策金利を引き上げる必要性を指摘している。中銀は前々回、6月の金融政策決定会合での利上げを最後に金利を据え置いている。
リラ急落の原因の一つである米国との対立を巡り、エルドアン氏は演説で「政治的陰謀」「降伏はしない」などと語り、対決姿勢を鮮明にした。

まぁ、救いようがありませんね。中国、ロシア、イラン、韓国と仲良くして、国際社会でどこまで通用するのか頑張ってみて下さい、エルドアンさん。

日経新聞
イスタンブールトルコリラ急落を受け、最大都市イスタンブールでは市民が外貨確保に奔走した。「たった30分でこんなに下がるとは・・・」。繁華街ベシクタシュで、大学を卒業したばかりというクゼイさん(22)は手持ちの8000リラ(約14万円)を米ドルとユーロに両替した。「コーヒーを飲んでいるうちに350リラ損した」と悔しがった。

う~ん、おちおちコ-ヒ-も飲んでいられないトルコ国民は大変そうですね。
また、トルコのエルドアン大統領は14日、米国製電化製品のボイコットを宣言。米アップルのiPhone利用者にはサムスン端末への切り替えを促した。米国から韓国へ乗り換えろというわけですね。

そして、懸念されるのは民間企業が抱える多額な外貨建て債務の返済。3月末時点の対外債務4666億ドル(51兆7000億円)の約7割が民間部門に集中している。今では10年物国債利回りはリラ建てが20%を超え、ドル建てでも8%以上に跳ね上がり、市中銀行の外貨調達コストも大幅に上昇した。
一方、海外企業などのトルコ投資も減速。18年1~6月の海外からの直接投資は前年同期比3.6%減の48億ドルと前年割れ。この7~8月はさらに減少していると推測される。まともな企業なら、これからトルコに拠点を置こうとは考えない。
悪い時には悪いことが重なり、連鎖する負のスパイラル。
トルコの通貨リラの急落は、他の新興国市場に投資する人々への警告でもある。新興国の経済的統治が改善するという長年の強気論は投資家が思っているほど進まない。いや、進めないものである。
だからこそ、過去の教え、経験則は非常に重宝する。時代は変われど、ヒトの考え、カネの動きは共通している。
米国が利上げで金融引き締めを行う都度、相場では高リスク資産から順番に下落(売られる)していく。つまり、まずは新興国から資金が流出し始める。これは通貨、株式を問わず見られる現象、経験則です。
また、米国の利上げで実質金利が上昇したため、金価格は下落トレンドにある。つまり、金相場からも資金が流出していることになる。
一方、米国株は、それでもいまだに強い。世界的な下げ相場でも、一番最後まで下げないのは米国株だというのが経験則。ただ、新興国株から真っ先に下落が始まると、先進国株でも脆弱な国順で株価を下げていく。米国株は決して下げることはないということではなく、他国に比べて最後まで下げないというのが米国株の経験則です。